.*Fragile.*【sho.hirano】

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あれから1週間。




紫耀とは一度も会ってない。







連絡も取ってない。









........早くちゃんと会って向き合わなくちゃ.........









頭では分かってるのに、






紫耀のことを考えようとすると..............









なぜか、倉橋さんの顔まで思い出されて.........

嫉妬があたしを支配して、心が黒く染まってく。








なぜ彼女と一晩一緒に過ごしたのか.......


その事実は、のちに週刊誌の記事で知った。







彼女のお父さんが危篤状態だったこと......


そんな彼女を紫耀が名古屋まで送り届けたこと.....








全て分かってもなお、心は黒く染まったまま.........









仕事に集中して紛らわそう。





そう思っても、なぜか.........

ぼっーとする頭。度重なるミス。









少し........気持ちを切り替える時間が

必要なのかもしれない。









あたしは、溜まっていた有休を使って、

3日間、実家のある田舎へと帰省することにした。









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実家があるのは、瀬戸内海に浮かぶ小さな島。





辺り一面、海に囲まれていて、


海と山.........それ以外は何もない。









本当に何もなくて......




それが嫌であたしは、都会へと飛び出した。









なのに今は.........

この何もない景色が、




あたしの心を綺麗にしてくれてる気がして、

気持ちが和らぐ。








あたしは１人、砂浜に座って海を眺めた。







日の当たる場所で海を眺めたのは、


いつぶりだろう.......？









紫耀と眺める海は、いつも暗かった。


だけど、あの時のあたしたちは、

夜空に輝く星達のように.......キラキラしてた。











彼と過ごした時間は、どれも宝物で....







すごく幸せな時間だったはずなのに.....









黒く染まったあたしの心は、

そんな幸せさえも見えなくしていた。









きっと........






漠然と分かってたんだ。








幸せな時間は、永遠には続かないって......









いずれ終わりがくるのなら.....









まだ心が綺麗なうちに、









幸せだった時間を忘れてしまわないうちに、









あたしは............









終わりにしよう









そう決めたんだ。

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