.*Fragile.*【sho.hirano】

行き違う想い ページ24

紫耀「友達だと思わせて、Aに近づいて.......


あいつの優しさは全部、計画的なんだよっ...！」







次々と発せられる祐也を非難する言葉に、

あたしの心が冷え切っていく。









紫耀「男の優しさには、下心があるって....



どうしてそんなことも気づかねーんだよっ........！」









なにそれ..............




あたしももう........限界だった.......










A「それじゃあ……

紫耀が倉橋さんに見せる優しさも

下心があるからなの........?」







あたしの言葉に目を丸くする紫耀。









A「あたし今日......聞いちゃったんだよ.....」






「夜中に出て行ったあの日......

紫耀は倉橋さんとずっと一緒にいたんでしょ！？」








「あたしよりも......彼女の側にいることを

選んだんでしょ！？」









溜まりに溜まった不満は止まることがない。









紫耀「それとこれとは......今は関係ないだろ」









紫耀はあたしを落ち着けようと

冷静に言葉を返すけど、





その態度に余計に腹が立った。









A「"関係ない"って......なに........？」






「自分は、他の女の子と一晩過ごしておいて......

祐也のことばかり悪く言わないでっ.........！」








祐也のことを話題に出せば、

紫耀が怒るのは分かってた……






だけどそれでも、言葉が止まらない。









「あたしと祐也のことだって.......


紫耀には関係ないよっ......！」








傷つけることを分かっていて、発してしまう言葉。







自分が抱える闇に気付いてほしかっただけなのに.....

感情がうまくコントロールできない。









「祐也は......自分の気持ちより、

いつだってあたしの気持ちを尊重してくれてた」







「あたしが元気がない時......

いつだって優しくフォローしてくれた」








「たとえ祐也に下心があったんだとしても....

あたしはその優しさに何度も救われた.........」









「あたしがツラい時、いつも側にいてくれたのは...

紫耀じゃなくて祐也だったんだよっ.......！」









言葉がナイフのように、２人の関係を切り裂く。





紫耀を傷付けてしまう自分が怖かった。









紫耀「...........なんだよそれ.....」





「俺より......あいつの方がいいってこと......？」









切なげに言葉を発する紫耀。






紫耀の顔が見れなくて、

顔を逸らしてあたしはつぶやいた。

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