.*Fragile.*【sho.hirano】

嫉妬と怒り ページ23

しばらく車を走らせて向かったのは、

紫耀のマンションの駐車場。








車が止まった静かな空間の中で、

あたしは意を決して言葉を発した。









A「さっきのことなんだけど.......」









紫耀「あいつのこと........好きなの？」









あたしが話し出したのを遮るように、

彼は問いかける。









A「そういうんじゃ........」









紫耀「だったら何......？


なんで、２人でこそこそ会ってんの..........？」









次から次へとぶつけられる彼の感情。









A「こそこそなんて、そんなつもり.........っ」





紫耀「嘘つくなよっ！........見たんだよ....っ！」









大きな声が響く。









彼が抱えていた嫉妬や怒りの感情が




一気に溢れ出ていた。









「あの日......


俺には、"家にいる"って連絡してきたあの日.....


Aは嘘ついて......

酔ったあいつと一緒にいただろっ.......」








知ってたの.......?




うまく言葉が整理できない。









だって、あたしがあの日...........

紫耀に嘘をついたのは事実で.......







そのことで、彼を傷つけたのも本当のこと。









だけど、誤解はしてほしくない。













A「嘘ついて.....ごめん」









「だけどあの日は......っ

頼まれて食事に行っただけで......

祐也とは本当にそういうんじゃ..........」









紫耀「..........."そういうんじゃない"って......




..........本当に言えんの？」








呆れたように突き放す、冷たい言葉。









紫耀「あいつがAに近づくのは、



Aのことが好きだからだろっ..........」









「だから抱きしめたり、

優しくしたりするんだよっ！」









「それぐらい分かれよ........

だから警戒しろって........言っただろ！？」









紫耀の言葉が、次々とあたしの心にささって.........





そして、あたしの心を乱していく。

　









A「でも..........祐也は友達だよ.....?」









なぜか、

紫耀の言葉に反抗するように言葉を返してしまう。





それは、きっと........






あたしの中に芽生える紫耀への不満の現れ.......







あたしだって……

彼と同じように不安や嫉妬を抱えてる。









そのことに気付いてほしかったんだ……

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