.*Fragile.*【sho.hirano】

偶然-sho.h- ページ13

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ドラマ撮影がスタートしてから数日経ったこの日。





撮影が早く終わったこともあり、

共演者みんなでご飯に行くことになった。




先輩の山下くんを助手席に乗せて、

予約している店まで向かっていると..........




歩道には、たくさんの人混みが見えた。







早く終わったとはいえ、時刻は夜の21時。




街には、飲み屋を点々としている人混みで

溢れかえっていた。






赤信号で停まっていた交差点。


ふと、窓の外に目を向けた時だったーーーーーー







俺の目に止まったのは、

絶対に見間違えるはずのない彼女。








人混みの中に紛れていても、すぐにわかる。





可愛い横顔。長くて綺麗な髪の毛。

その姿を見つけただけで......





今だにドキッとして..........

心臓が急激に、脈を打ち始める。







紫耀「A.........」





思わず、声に出してしまったちょうどその時、



俺は、彼女が１人ではないことに気付いて驚いた。








一緒にいたのは、誰よりも警戒してるあの男。







なんで２人で？



しかも、男はすっかり酔っ払った様子で、

Aにもたれかかるようにして千鳥足で歩いている。








山下「信号青だけど.........どうかした？」




隣に座る山下くんの声で、我に帰る。




紫耀「あ、いや、ちょっとぼっーとしてて......」






動揺している気持ちを抑えながら、

A達の横を通り過ぎ、ゆっくりと車を走らせた。








店についてからも、

さっきの光景が目に焼き付いて離れない。









紫耀今、何してる?






気付いた時には、

Aを試すような気持ちで、メッセージを送っていた。









何か事情があってあいつと一緒なんだって......

ちゃんと隠さず教えてほしい。








だけど、返ってきたメッセージは.....






A家にいるよ






そんな嘘のメッセージ。







そのメッセージを見た瞬間、

今まで何の疑いもなく信じてきたAの言葉が

信じられなくなってきて...........







あの男と、Aの関係を

もしかして........なんて

疑ってしまう自分に嫌気がさす。






なんで嘘なんか.........








楽しい食事の席の中、

俺１人だけが............

作り笑顔で必死に場を取り繕った。

嘘→←お願い

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