.*Fragile.*【sho.hirano】

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A「お疲れ様.......」



あたしも彼の首元に両手を回して

ギュッと抱き締めると......



嬉しそうに、紫耀は微笑んだ。








最近の彼は、デビュー当時と同じように

ドラマ撮影にコンサートに

忙しい日々が始まって.......



なかなか会えない日が続いてる。






今日だって本当は、早く帰れるって言ってたから

部屋に遊びに来たんだけど.......



収録が押して、結局帰ってこれたのは深夜1時。









それでも、あたしは会いたくて......

ドラマを見ながら彼の帰りを待ってたんだけど、

そんなことは、悔しいから絶対言わない。






だけど、いつもより長く、

愛情いっぱいに紫耀を抱きしめた。









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紫耀「そういえば俺さ............次のドラマ

山下くんと共演すんの」





急に体を離して、嬉しそうに話し出す彼。


山下くんっていうのは、紫耀がずっと尊敬してる

先輩の山下智久くんのことで.......







A「すごいねっ！おめでとう」





いつか山下くんと一緒に共演したいって

嬉しそうに話してた紫耀だから......

その夢が叶って、あたしまで嬉しくなる。









A「どんなドラマなの？」





紫耀「うーん...............

山下くんが教師役で、俺が生徒役で......

1人の女の子を取り合う感じ？.....のドラマだって」






何そのドラマ。

ヒロイン羨ましいんですけど....





ついつい心の声が漏れそうになる。








A「じゃあ、W主演ってこと？」




紫耀「うん、そうかも」




A「すごいね！山下くんと同じ主演なんて！」









憧れだった人と肩を並べて仕事ができるくらい

有名になった紫耀のこと...




誰よりも凄いと思って、

誰よりも尊敬してるのは........きっとあたし。






紫耀「でも、そのせいで地方ロケが多くなるから、

Aに会える時間、減るかも.......」







だから、そんなことを言われても.........







A「大丈夫だよ！応援してるからっ」






なんて、強がりを言えるんだ。







彼の背中を押すのがあたしの役目で、


「寂しい」なんて言葉で気を引くのは良くないって


体が勝手に反応する。









もっと素直になれたらって......







そんな風に後悔する日が来るなんて.........




この時のあたしは、ちっとも気付いていなかったんだ。

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