.*Kiss me.*【sho.hirano】

記事 ページ8

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー







ーーーーーーーーーーーーーー






それから、2日。

彼からの連絡はない。









そりゃそうだよね.....

怒って出て行った相手に連絡なんて、

気まずくて、とてもできない。









相手は、二度もあたしを助けてくれた

芸能人様だってのに........









そんな相手に説教するなんて......


今更になって、あたしもおとなげなかったなと反省する。











そんなことを思いながら、大学の敷地内を歩いていると、

こっちに向かって手を振る愛美と遭遇。









愛美「A！ニュース見た？」




あたし達は、講義室へと向かいながら話を始めた。








A「ニュースって？」









愛美「平野くんのことだよ！

階段から落ちて、怪我。しばらく活動休止って

テレビでやってたよ！」






そう言いながら、スマホのネットニュースを

あたしに見せる。









全治3ヶ月の怪我だったから、

ニュースでも報道されるとは思ってたけど.....





こんな大騒動になるなんて......完全に想定外。









ケガさせたあたしは、ネットで叩かれまくりだよぉ....









そんなことを考えながらニュースの記事を読んでいると......




またまた予想外の事実に驚く。









A「あれ？.......あたしのこと、書かれてない？」









愛美「そうなの！どこにも、出てきてないよ！」









急いで、他のネット記事を読んでみても、

あたしのことは出でこない。








というより、怪我をした原因、そもそもが

自分の不注意で階段から転落したことになっている。








『入っていた仕事は、ほとんどキャンセルになって、

事務所やメンバーにも多大な迷惑をかける』








そんな芸能界の事情を、


あたしは、記事を読んで初めて知ることになった。









あたしのせいで、ケガしたんだから、




全部あたしのせいにすればいいのに.......,.









自分一人、ケガした不注意を責められて、




迷惑をかけることになるメンバーや事務所に


頭を下げて......









そんな大変なことを、全部彼一人に背負わせてしまった。






今更ながら、自分がしたことの責任の重さに


気付かされる。









A「ごめん....あたし、ちょっと...,」








そう言って、最後まで言い終える間も無く、



あたしは、自然と走り出していた。

素直に→←ストレス

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す