.*Kiss me.*【sho.hirano】

緊張 ページ36

マンションのエントランスで、あたしは降ろされた。




紫耀「ここで待ってて。車停めてくるから。」





どうやら駐車場は、

マンションから少し離れたところにあるらしい。







紫耀が来るまでの間、一人で待っていると

マンションのエントランスに

三人組の男の人達が入ってきた。






高級マンションってこともあって、

入ってきた人達も、高級そうなスーツに身を包んでいる。







早く通り過ぎればいいのに....





その男の人達は、あたしの姿を見つけると、

こちらへと近づいてきた。



すごく、ジロジロと見られてる。









少し怖くなってきたその時、




遅れてやってきた紫耀が、あたしの手を引いて

その場から連れ去る。









紫耀「これ、着てて。」




そう言って、紫耀が着ていたジャケットを渡された。





男の人達は、その様子を見て、

追いかけてきたりはしない。





あたしは、言われた通り、

ジャケットに腕を通しながらエレベーターに乗り込んだ。







駐車場から雨の中走ってきたのか、

紫耀の髪の毛も、雨に濡れている。






まさに「水もしたたるいい男」

なんて、そんなことを考えていると、





少し怒ったトーンの紫耀の声が、エレベータ内に響いた。









紫耀「なんで、ちょっと目離しただけで、

絡まれそうになってんの？」




あたしより一歩前に立っている彼。

どんな表情をしているのか掴めない。







A「..........別にあたしは何も。」






紫耀「隙、ありすぎなんだよ。」






優しいと思ったら、急に怒り出したり....

紫耀は相変わらず、何考えてるのか分からない。








これ以上機嫌を損ねないように、

あたし達は無言で部屋までの道のりを歩いた。








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A「お邪魔します......」





何度も通ったはずのこの部屋。

だけど今日は違う部屋のように緊張する。






紫耀「先にシャワー浴びれば？」



そう言って、脱衣所の明かりをつけてくれた。

だけど、そんな紫耀もびしょ濡れ。





A「あたしはいいからっ。紫耀が先に！

風邪引いたら大変だし.......」



紫耀「ふーん.....」





そう言って紫耀は振り返ると、

あたしの方をじーっと見つめる。




A「何...?」





紫耀「人の心配より、自分の心配しろよ。

.....................下着、透けてるから。」





え！？！？

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