.*Kiss me.*【sho.hirano】

再会 ページ29

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ーーーーーーパシャ、パシャ、パシャパシャ







カメラの音に合わせて、表情を変える6人。

さすがはプロ。






あたしは、スタジオの隅から

その様子をそっと眺めていた。





全員を眺めているつもりでも、

あたしの視線は、自然と1人だけを追ってしまう。









少し、大人っぽくなった紫耀。




遊ばせた髪の毛に色気を感じる。








カメラマン「はい、オッケー」



撮影が終わった瞬間、

ふと、こちらを見た紫耀と目が合った。





気まずさと、恥ずかしさで

あたしはすぐに目をそらす。







先輩「それじゃあ、今から個別インタビューね。

綾瀬さんは、平野くんをお願い。」




A「あ、はいっ！」





あたしは、逃げるようにインタビュー室へと向かった。







1人になると、やっぱりホッとする。


紫耀の姿を見ていると、息がつまる。







そんなことを考えて、ホッとしたのも束の間。


部屋の扉が開いて、紫耀が入ってくる。









A「よ、よろしくお願いします。」






戸惑うあたしとは違って、落ち着いている彼。






紫耀「よろしく、お願いします。」







部屋には2人だけ。


だけど、あたし達の間に前のような親しさはない。





ただ、淡々とインタビューが終わっていくだけ。









A「それじゃあ次は....好きな女性のタイプを、

教えてください。」







それは、インタビューリストに書かれた、

何気ない質問のはずだった。









紫耀「.........料理が上手な人です。

毎日、どんな料理でも美味しく作ってくれる、

そんな女性がいいです。」






あまりに真っ直ぐにあたしを見て伝えてくれるから。




そんな目をされたら、

単純なあたしは、勘違いしてしまう......。







ーーーーーーーーカシャン。







動揺して、持っていたペンを

地面に落としてしまった。






ペンを取ろうと立ち上がり、しゃがんだ瞬間、


あたしの手の上に紫耀の手が重なった。








ドキッーーーーーーーー









ちょっと触れただけなのに、心臓が高鳴る。




あたしが取ろうとしたペンを

紫耀が代わりにとって渡してくれた。








A「........ありがとう。」






紫耀の目は、今もまだ、あたしを見つめてる。


気まずい沈黙を破ったのは、彼の方だった。






紫耀「.........元気だった？」

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