こどものおもちゃ～LOVE☆DIARY～ (ページ37)

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36話ページ37

♢夕方♢

あれから剛を呼び、3人で羽山宅の前にある茂みに隠れていた。

紗南「あれが羽山んちか、、」

貴「すごい、大きい、、！」

想像していたよりいくらか大きいその家に少なからず驚く2人。
こんな家に住んでるなら育ちも良さそうなはずだが、、。

紗南「まあ、それは置いといて。剛くん、良い？アイツが出てきたらさりげなく近づいてズボンをずり下げるのよ！そしたら私がみっともないパンツ姿をバッチリ撮るから！」

輝かしい笑顔でそういう紗南に2人はなんとも言えない表情になる。

貴「他に何かなかったの、、///」

剛「Aちゃんの言う通りだよ、、ボクあとが怖い、、」

紗南「大丈夫、2人には手出しさせないから！」

自信満々のその姿に安心するどころか不安が大きくなる2人。
剛はもう諦めている様子だ。

剛「だからその自信はどこから来るの、、(苦笑)」

貴「紗南ちゃんらしいけど、、(苦笑)」

ふと時計を見ながら紗南が話を変える。

紗南「にしても、、アイツ本当に出てくるの？」

貴「たしかに、、大丈夫かな？」

2人の言葉にどこか表情を曇らせながら剛は重々しく口を開く。

剛「うん、、秋人くんち、お母さんいないから。いつもご飯外で1人で食べちゃうんだって。」

貴「え、、他に家族は？一緒じゃないの？」

1人というワードに引っかかりを覚え、疑問をぶつける。

剛「それが、、お姉さんがいるけど仲悪いし、お父さんとも仲悪くてさ、お小遣いはいっぱい貰えるみたいだけどね」

紗南「へぇ、、」

貴「そう、なんだ、、」

どこか気まずい空気が流れる。
姉がいて、母がいて、暖かい人たちに囲まれているAにとっては想像し難いことだった。

もし、自分が羽山のような立場だったら、、？

捻くれてしまうのも分かるかもしれないと思った。
しかし、それでもやって良いことと悪いことがある。
Aにとっては答えが見つからないようなものだった。