岩 田 図 鑑

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神様なんて信じるほど、もうかわいい歳じゃない。
それでも、神様がもしいるとしたら、
相当残酷だと思う。



剛典と気持ちを通わせて、見た目にはいつも通りの毎日。

だけど、交わす視線に、触れ合う肌に、何気ない会話に
これでもかってくらいハートが飛んでるみたいな。

そんな幸せな毎日。



『先輩、最近楽しそう。それに……綺麗になりました？』

後輩の女の子と会社終わりでそのまま映画を観に行くことにした。



剛典は仕事が忙しく、家に帰って来られない日々が続いていた。

相変わらず、彼の詳しいことは何も知らないけど、それはこれからゆっくり知っていけばいい。


『恋とかしちゃってるかんじですかー？』

「恋………ねぇ。そうかも」

『出たー。堂々とのろけてるしー！いいなぁ。
私はもっぱら岩ちゃん♡』

「誰それー？他の部署の子？」

『え、ちょ、先輩マジで？やっぱり帰国子女は違いますね〜。
これから観る映画に出てますよ、岩ちゃん♡』

「へぇ〜」





そのとき私は、ただただ久々の恋愛に浮かれていた。


大好きな彼に愛されてただ幸せそうに笑っていればよかった。

自分は今世界一幸せかもしれないと、呑気に思っていた。









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