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#16 落ち着け ページ16

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「…そんなこともわからないなら、もうAさんに構うなよ」
そう言葉を残し、あたしの手を取り席に座るそらるさん。
少し怖くて驚いたけど
あたしのために…って思うと、胸が熱くなった

これで一安心…で、終わるわけがなかった

「そんなのおかしいわよッ!

なんで愛生は悪者にならなきゃいけないの?!

なんでこいつ庇うのよ…!!」

まさに悲劇のヒロインと化した愛生が、大きな目一杯に涙をためてスカートをギュッと握る。
仕草は可愛くても、もう本性を見てしまった人からしたらもうなにも言えない。

だが、そんな中でも1人2人は愛生を庇おうとした

「そうだ、元々地味なお前が男装して騙してたんだろ?!」

そう言い放った男子は、あたしの机の前まで来て胸ぐらを掴んだ

「謝れよ!愛生ちゃんに!!底辺不細工の分際で…ッ!」

そいつは勢いよく右手を振り上げ、あたしをビンタする体制に入った。

あ、やられる

そう感じてからは、時間なんて感じない
ただただ目を瞑って、痛みが来るのを待つだけ

もうどうにでもなれ
そう思った瞬間、教室に響き渡る頬を裂くような音

それは、あたしが感じたものではなかった
目の前には、痛そうに頬を抑え、歪んだ顔をする真冬さん

『ッ真冬さん!!』

フラッと重力を感じなくなった真冬さんの体を机越しに支えると、振り返って小さく「大丈夫だよ」と笑った

大きく息を吸って、叩いた男子を見る真冬さん
その真冬さんからは、背中越しにも尋常じゃないほどの殺気を感じた。


「あのさぁ、いくら沸点低くて頭にきたからって、女の子に手出すのはよくないよ…?」

沸々と湧き上がるような真冬さんの声に、唾を飲んだ。
「それに、僕や彼方さんがAさんを庇うのは勝手でしょ。

なんでお前に言われなきゃいけないんだよ」

1つ1つの言葉に重みを感じる。
そんな真冬さんは、さっきまでの天使とは逆変して
…どれだけ可愛くても、真冬さんは男の子なんだ
そう深く感じた。


今にも打ってかかりそうな真冬さんをそらるさんが抑えた時、先生が入って来た。
「なんだ?席につけ〜授業始めるぞ」


その先生の言葉に、みんな散らばって席に着く。
まだ納得してないような顔をした愛生は渋々と戻っていった。

同じく納得してない真冬さんは、「Aさんは不細工じゃないもん…」といつもの可愛さで怒ってる。
落ち着け、と声をかけるそらるさんはきっと、真冬さんがこうなることを考えていなかったんだろうな

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誤字訂正しました。

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一応歌い手の、みにまーむ(プロフ) - 栗山さん» すみません。自分勝手で… (2018年3月30日 23時) (レス) id: 69f1870dfa (このIDを非表示/違反報告)
栗山(プロフ) - 一応歌い手の、みにまーむさん» 大丈夫です!また通知いただければ飛んでいきます! (2018年3月30日 23時) (レス) id: 0cac728535 (このIDを非表示/違反報告)
一応歌い手の、みにまーむ(プロフ) - 栗山さん» 時間がある時でもいいですか? (2018年3月30日 22時) (レス) id: 69f1870dfa (このIDを非表示/違反報告)
栗山(プロフ) - 一応歌い手の、みにまーむさん» コメントありがとうございます。もしよければ詳しいお話聞かせていただけないでしょうか…?掲示板を作っていただけると幸いです!Twitterでも可能です! (2018年3月30日 22時) (レス) id: 0cac728535 (このIDを非表示/違反報告)
一応歌い手の、みにまーむ(プロフ) - 歌い手さんを使わずに、同じような設定で作品を書いてもいいですか? (2018年3月30日 10時) (レス) id: 69f1870dfa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:栗山 | 作成日時:2017年9月2日 13時

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