【歌.い.手】男装歌い手はじめました【そらる】 (ページ1)

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#01 憂鬱ページ1

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『は～あ憂鬱』

こんなクソ暑い中少し離れた隣町の実家にスイカ届けるためだけに娘を使う親がいるか。

ここにいる！ここにいるぞ！！

それより、おばあちゃんが出てこない。

ピンポンチャイム押して5分くらい経ってる。

お願いおばあちゃんこんな天気の中スイカとともに天日干しにされそうな孫を助けて…

暑さで頭が濛々とする。
それにしてもこれは遅すぎる。
入っていいのかな
ドアノブに手をかけると、ガチャ、と開く音が

『開いてるのかよ…おばーちゃーん？入るよ～』

我ながら思うけどいくらピンポンチャイム鳴らしたって勝手に入る馬鹿あたし以外いないんじゃないかな。

まぁ、もしおばあちゃんに何かあったらって考えたらいいんだよそうだね。

…なんか寒気してきた

縁起悪いこと考えるからだな、ごめんおばあちゃん。

暑くて溶けそうな脳を使っていろんなことを考えるけれどもやっぱりあたしは変わってると思う。

…それしか結論付かないよね…我ながらかわいそうな頭…。

玄関を入って、おそらくおばあちゃんがいるであろう奥の部屋のドアを開ける

開けた瞬間のこの寒さが尋常じゃなかった

と、足元に倒れているおばあちゃんが見えた。

『っあ、お、おばあちゃん？！』

冷や汗が出てきて必死に体を揺らすも、おばあちゃんは目を開けない

え、なに、どうなってんの

『おばあちゃん！！生きてる？！』

また一段と体を揺らすと、おばあちゃんは唸りながらゆっくり目を開けた

「…あら、うららちゃん。こんにちはぁ」

細い目で笑顔を作ってあたしに笑いかける

…いや、

『なにしてんのおばあちゃん？！？？』

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