【覆面系ノイズ】放課後、旋律がきこえる【杠花奏】 (ページ7)

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Aside

学校に着くなり、職員室によらずに音楽室へ向かった。

今すぐに歌いたい

どうしても、自由になったことを感じたくて。

幸い、音楽室は空いていて誰もいない。

…、今なら歌えそう

大きく息を吸い、口を開け、歌いだそうとした

『Aッ！』

…歌うのを遮ったのは、モモだった。

『なーんだ、モモじゃん。久しぶり！』

一瞬、嫌な自分が垣間見えた

…ユズくんなら良かったのに。

『…なーんてねっ』

ユズくんがこの学校にいるわけでもないから、届くはずないんだけどね。

歩いてる途中も、ずっとそればっかり

早くユズくんに会いたい。伝えたい、また一緒に笑いたい。

そんな欲が溢れて溢れてたまらなかった。

『？それよりも、もう歌えるのか…？』

モモは走ってきたのか、荒い息を懸命に整えながら問いかける。

『うん、もう大丈夫！ちゃんと歌えるよ、きいてて』

本来、ここにきて一番初めに歌おうと思っていたユズくんの曲とは別の曲を歌う。

これは、モモの作った歌。

『ーーーー♪』

モモは一瞬驚いた顔をしたあと、すぐピアノに触れ、メロディーを弾き始めた

重なるモモのメロディーとあたしの声。

あぁ、歌うってこんなに気持ちよかったっけ。

もっと、もっと歌いたい…

6年以上我慢したの

大変だったんだからね

もう我慢しない

届くように歌うんだから…！！！

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