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ユズside
ここら辺で一番高く、あたりを一望できるだろうと思って、屋上に向かった
すると歌う声はだんだんと近づいてくる
これは…屋上にいるのかな
階段を上る僕の足音が軽くなる
しかも
『この曲…?』
僕が
アリスのために作った曲…?
あれ?
“アリスのために”?
軽かった足が重くなり、その場に立ち止まる
本当に僕が、アリスのために作った曲なの?
じゃあなんで
アリスじゃない声が今歌ってるの?
わけがわからない
曲は僕がアリスに作ったもの。確かにそうだ
なのに、声はアリスじゃない。
どこか、懐かしい声
頭が痛くなる
ふと、頭の中に女の子が浮かんだ
光で丁度顔が見えない。
その女の子は、僕に向かってこういった
『ユズくん、あたし、ユズくんの声になる!
ユズくんが大好きだから!』
そう言って歌い出す女の子
その曲は
僕がアリスに作ったもの
はは、違うじゃんか
僕がアリスに作った曲じゃなくて
僕が女の子に作って、女の子が僕に歌ってくれた曲だ
その曲に、僕は
アリスに歌って欲しいがために付け足した
あの子を掻き消して、僕はアリスに乗り換えたんだ
あの子を裏切ったんだ
すると心の僕がほくそ笑んだ
“今屋上に向かって、あの子に会って、どうするの?”
そんなの決まってる
謝って、謝って、また笑いたい
また歌って欲しい
そんな生半可な気持ちで、僕は屋上への扉を開いた。
残酷な話を聞くことになるなんて思ってなかったから
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栗山(プロフ) - 瑞希。さん» 瑞希ーだーー!! (2017年4月21日 18時) (レス) id: 5a57ec5ebf (このIDを非表示/違反報告)
瑞希。(プロフ) - 川合っす。笑笑。 (2017年4月19日 23時) (レス) id: 12fbe3d2f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗山 | 作成日時:2017年4月19日 20時