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ユズside
「花奏〜?お風呂空いたわよ〜」
『ファッ?!あ、うん入る!うん!』
時刻は午後8時50分
溢れ出る気持ちを作曲に当てたままボーッとしていた
余談だが、僕の家は“音楽禁止”の家系だ。
そんな中、僕は親からコソコソ隠れて音楽に触れている。
一度、母親にバレて酷い仕打ちを受けた。
それ以来はもっと慎重にしている
まぁ、そんなことよりも
『アリスとあの子…かぁ』
あの子といつ出会ったのか覚えていない。
アリスよりも前か
アリスよりも後か
そんな昔だったかなと思う事もあるけれど、あの日の言葉とあの声は鮮明過ぎるほどの記憶として残っている
もし、今日のあの声があの子のものだったとしても
今の僕にはアリスがいる。
たとえ叶わないものだとしても
今僕のそばにいるのはアリスだ
それに変わりはない
はずなのに
『なんでこんなに苦しいんだろう』
今溢れ出てくるこの曲は
アリスを想っての曲なはずなのに
どうしてもあの子に括り付けてしまう
『なんなんだよ…ッ!』
「花奏ー?!お風呂はー?!」
『はっ、入るよ!!今行く!!』
あたりに散らばる譜面を全部鍵のついた引き出しにしまい、ドアを開ける
時刻は午後9時4分だった
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栗山(プロフ) - 瑞希。さん» 瑞希ーだーー!! (2017年4月21日 18時) (レス) id: 5a57ec5ebf (このIDを非表示/違反報告)
瑞希。(プロフ) - 川合っす。笑笑。 (2017年4月19日 23時) (レス) id: 12fbe3d2f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗山 | 作成日時:2017年4月19日 20時