【覆面系ノイズ】放課後、旋律がきこえる【杠 花奏】

# 28 ページ29

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Aside



『ーーー♪…』



歌い終わり、ハッとした




ユズくんに似てるからって…ユズくんじゃないかもしれないしそれに…


嫉妬なんてしちゃった



わー、恥ずかし…



自分で取った行動に反省ながら恥ずかしみを帯びていると、教室のドアから声が聞こえた



『…A、さん…？』




げっ見られた…と思いながらも目をやると、そこには見覚えのある女の子が立っていた




『ねぇ、貴方Aさんでしょ？深桜が間違えるわけないもん！』



そしてズカズカと近寄り、顔を近づけられる



…今、深桜って言ったよね



深桜、深桜深桜深桜深桜…？




心臓がすごい速さで動く




深桜って、あの深桜？




『…病院の、深桜さん…？』




思い出したかのように名前を口にすると、深桜さんは泣きながら何度も頷いた




『そうだよ、Aさん…！』



深桜さんは


あたしとユズくんが広場で歌ってるとごく稀に聴きに来てくれた子


それに…

『まつ毛が太いからよく覚えてるよ』

『それとこれとは違うでしょっ』


そう言うと深桜さんは笑った



『それより…ユズ、どうしよう』


深桜さんの目線が男の子へと向かった



『あ、やっぱりユズくんなのね』


そう呟くと、心にその事実がストン、と落ちた


深桜さんは深刻そうな顔をしてる


すると、ユズくん…が目を開けた


『深桜が2人…？』

その声を聞いた瞬間、深桜さんが立ち上がった


『あっ、深桜、保健室の先生呼んでくる！』


顔を真っ赤にして走り去って行っちゃった







目を丸くするユズくんとあたし




ユズくん




ユズくんが





目の前にいる





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