天使になった彼女【第五人格】

白44 ページ45

ーー夜

もう寝ようかとしている時だった、控えめに扉がノックされて…開けるとウィラが立っていた。


「A…今いい？」

『ウィラ？うん、入って入って！』


彼女ももう寝る準備は整っているようで可愛らしい寝巻きに身を包んでいる。


「今日、泊まってもいい？」


眉を下げて、捨てられた犬のような表情で頼んでくる彼女。
う…可愛い。
そんな顔しなくても、いくらでも喜んで泊めるのにな。
肩に掛けてあるバッグには明日の着替えが入っているようだ。
大事な話があるのだろう。


『もちろんいいよ！』


好都合だった。
いいタイミングがあれば、妹さんの話も出来るかもしれない。


「良かった」


部屋にココアがあったので、二つカップを準備して、テーブルを囲んで座った。

ここに来たのはいいけど、なかなか言い出せない…そんな表情をしていた彼女。
ホットココアに口をつけてから、一呼吸おいて話し始めた。


「この間、ジョゼフさんとお茶会したじゃない？」

『凄く楽しかったね！』

「その時の話なんだけど…」

『うん』

「なんか、このままじゃダメだって…嫌だなって思って…」


言いたいことがせめぎ合っているみたい。
私は何も知らないから、どこから話せばいいかも分からないよね。
でも、これだけは分かる。
話したいのは双子の妹さんの事。

まだ夜は長いから…
ゆっくりで大丈夫だよ、ウィラ。

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