緑42 ページ43
ナワーブside
「来てやったぞ」
「いらっしゃい」
正直あまり入ったことの無いその場所、踏み入れていいのかも分からないが…俺達の館とは比べ物にならないほどデカい扉をくぐって中に入る。
他のハンターは少々驚いていたが、特に話しかけられる事もなく、すぐに写真家の部屋に案内された。
「なぁ…何があったんだ？」
「少しここで待っていてくれ」
内容がAの事となると不安が募る。焦るなと自分に言い聞かせるが、ゆっくりと奥の部屋に消えていく写真家に早くしろと苛立ちを感じていた。
「これを…」
写真家は一枚の紙を握って戻ってきた。ヒラリと目の前に差し出されるソレは写真だった。
「昨日、庭で撮影したものだ」
「は？！お前たったこれだけの用事かよ！！」
ゲームを放棄するまでの内容が、昨日の写真を渡すだけ？意味不明の行動に乱暴に写真を受けとって………見た。
「っ…！」
「彼女はイギリス出身なんだね。グルカの傭兵、分かるのなら…話を聞きたい」
そこに映っていたのは、薔薇を背景に笑う変わらない俺と、それに寄り添う汚れた軍服に身を包んだ…衛生兵時代の格好をしたAだった。
前世…この言葉が正しいのかは分からない。
だが、この写真の彼女は間違いなく当時のまだ人間だった彼女で…。
信じ難い写真を前に、少しずつ過去を話し始めた。
「そうか…彼女にこの記憶は？」
「ねぇんだ」
「ほぅ、それなのにまた君と付き合う事になったのかい？」
「悪ぃかよ」
「いや、君は正直…食べ物の事しか頭にないと思ってたから。意外と一途なんだね」
「うるせぇ…」
「本人には伝えないのかい？」
「それも考えたんだが…死んだ時の記憶なんて痛くて辛いだけだ、またあいつの傍に居れるんだ、俺はもうそれだけでいい」
本当に、心からそう思ってる。
この写真は俺だけのものにしよう。
写真に写るか心配していたA、申し訳ないが…写ってなかったと言えばいい。
それなのに…
「あ……っつ！！」
「おい！傭兵離せ、火傷するぞ！！」
握っていた写真が突然発火して、一気に燃え上がった。瞬く間に鮮やかだったソレは灰と化す。
「なっ…どうなってやがる！」
「君、手は大丈夫か？！」
この反応、どうやら写真家が仕組んだ…わけでは無さそうだ。
写真が突然燃えるなどありえない、だが…その理由も分からない。
点が散らばりはじめる
まだ俺はそれらを
結ぶことが出来ない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「第五人格」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朱璃(プロフ) - uruさん» 無常！良いですよね、かっこいいですよね(嬉)！！それにしても傭兵君ってめっちゃ人気なんですね〜♪かっこよくて可愛いから…当たり前かなw (2021年11月26日 9時) (
レス) id: d7c7228678 (このIDを非表示/違反報告)
uru(プロフ) - 作者様の推し、分かります( ˇωˇ )ちなみに私は無常が再推しで傭兵が推しです (2021年11月25日 22時) (レス) id: 8bf1a19eb7 (このIDを非表示/違反報告)
朱璃(プロフ) - RENKAさん» うあぁぁ、ありがとうございます！！(嬉)いい子達に育つよう頑張ります〜♡♡♡ (2021年11月15日 15時) (レス) id: d7c7228678 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - 朱璃さんは絶対良いお母さんになりますね！…なんか感動してきた(笑)本当におめでとうございます👏🎉 (2021年11月15日 2時) (レス) @page50 id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - お久しぶりです！それとご出産おめでとうございます！🎉💓出産お疲れ様です！元気にご成長されることをお祈り申し上げますm(*_ _)m (2021年11月15日 1時) (レス) @page50 id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朱璃 | 作成日時：2021年10月20日 20時
