天使になった彼女【第五人格】

白16 ページ17

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ここに来てから数日。
殆どのサバイバーとは話が出来たと思う、でも私には…分からなかった。

いつも優しくて、とても良くしてくれる彼らの魂は…どうして堕ちたのか。


『はぁ…』


静かで暗い、もう誰も起きてないであろうこの時間。窓から見える月を眺めながら、重い息を吐く。
初めての仕事内容に、勝手も分からない。


セラフィエル様…力を頂いても、使い方が分かりません。


天界ではないので、この言葉が遠く離れた彼に伝わる事はない。
カーテンを閉めようとすると、窓の外には一羽の梟。
クラークさんのだろうか？
部屋に迎え入れると、梟は私に飛び込んできたので、そっと抱き締める。
ふかふかの羽毛が気持ちいい。


『慰めてくれてるの？』

「ピュィ」

『ありがとう』


梟らしからぬ鳴き声に、なんだか心が癒されて…そのままベッドにもぐる。
でもやっぱり、すぐに眠ることは出来なさそう。


『いつでも出て行けるように、窓は開けてるからね？』


まだ出ていく気は無いようだ、私は枕元にちょんと休む梟の頭を撫でる。
明日、クラークさんの所に連れていくのもありかな…？




そういえば…

私は突然、灰色の彼を思い出す。
生者が苦手で、生きたままのヘレナを納棺していた…
普通ではないその行動に、なぜあの時疑問を持たなかったのだろうか？


明日から、カールさんを調べてみよう…私に出来ることが見つかるかもしれない。




癒されて頭が冷静になったお陰か…現状の打開策になるかもしれない糸口を掴んだ私は、急に眠気に襲われて、そのまま意識を手放した。

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