天使になった彼女【第五人格】

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観戦部屋のドアを開けると先客がいた。


「やあ、Aさん」

『キャンベルさんも観戦ですか？』

「うん、ダイアー先生の案内が終わったら君がここに来るんじゃないかと思って…待ってた！」

『え、あ…そうなんですね！』


もうすぐ始まるよ、そう言う彼は自分の隣をポンポンと叩き、私はそこに座って画面に集中する。

今日のメンバーはマーサ、ヘレナ、カールさん、フランクさんのようだ。ハンターは芸者の美智子さんで場所は赤の教会、軽めに解説をしてもらいながらゲームを見る。


『…えっなにこれ、可愛い！』

「あはは、これはねカートさんの能力」


画面にはとても小さくなったフランクさんが必死に地面を漁っている様子が映っている。キャンベルさんがいうには各々に特技があってそれを駆使しながら脱出を測るらしい。


「今、マーサさんが追われているね」

『う…うん』


先程までの美人さんはどこに行ってしまったのだろうか、マーサを発見した芸者さんは般若の面で、蝶を飛ばしながら距離を詰める。

カチリ…
ドォンッ

マーサは腰に装備していた信号銃で芸者さんを撃ち、怯んでいる間に墓に逃げ込んで…無事に撒いたようだ。


『マーサ、凄い…！』

「確かに信号銃って、かっこいいからずるいよね」

『え、待って…ヘレナが危ない！！』


ターゲットを変えたのか、芸者さんは近くで解読をしていたヘレナに向かって蝶を飛ばす。
ヘレナは目が見えない…あんなに早く移動してくるのに、ハンターが来たことに気付くのも難しいんじゃ無いだろうか。

慌てる私とは反対に、キャンベルさんはとても落ち着いていた。


「彼女はね、そんなに弱くないよ？」

『でも、ヘレナは目が見えないから』

「目が見えないぶん、音とか匂いとかそういうものに敏感なんだと思うけど…僕達の中で一番隠密も上手くて、解読も丁寧で早い。見えない事は弱点でもなんでもないんだ」


そっか、キャンベルさんは人の内面とか良いところとかをちゃんと見つけられる人なんだ。
そんな事を思っていると、ヘレナは攻撃を受けてしまった。武器は扇子だが、苦しむ彼女を見ていると心が痛む。結局そのまま逃げきれず、椅子に座らされてしまった。

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