祈り100 ページ3
「また…居ない…。」
また…？
どこかでＢ５に降りてきてたのかな…。私は個室で寝てたから、気付けなかった。
「はぁああ？あの野郎…！アイツこそ化物じゃねぇか！」
「先、生…。」
2人は何かと騒いでいるが…
確かに、生きてて良かったと感じている私がいる。
そっか…どこかでまだお父さんを信じたいんだ。
「ちっ…。」
ザックの舌打ちに少しだけ心を痛めた。この気持ちは…2人にはバレないように閉まっておこう。
「お前の拳銃を拾ったらさっさとここから出るぞ。」
「あった…。」
レイチェルが拾い上げたソレはもう拳銃の意味をなさない程に破壊されていた。
「引き金が壊されてる。」
拳銃の落ちていた横に広がる血溜まり。ザックはチラッとそれを見つつ呟く。
「ダニーか…。」
『…。』
「使い物になんねぇなら仕方ねぇだろ、行くぞ。」
「…うん。」
レイチェルは拳銃だったソレを放って、ゆっくりとソファの方への歩いた。ツギハギの死体の前にしゃがみ込む。
「お前またそれ…見てんのか。」
「うん。この死体、両親のつもりだったから。」
「…じゃあ、ガキらしくバイバイでもしとけよ。もう戻らねぇしな。」
「…そうだね。」
ーーバイバイ
レイチェルは両親に向かって小さく手を振った。
皆で真っ直ぐエレベーターに向かう。リビングから、廊下…エレベーターの前まで引きずった血痕が続いていた。
そして、肝心のエレベーターは下の階に止まっており、ボタンで呼ぶと内部も血に塗れていた。
「おい、まさかあいつ下に降りたのか？」
「多分…そうだね。」
もちろん、2人が気づいてないはずがない。だって…グレイさんは、血なんか流してないから。
「くっそ、真っ二つに……ん゛ん、なんでもねぇ。」
『…？』
私達は鉄臭いエレベーターに乗り込んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みょん(プロフ) - すっごい良かったです!!面白かったです！ザックの絵がとても上手いです羨ましいです。本当に読んでいる間楽しかったです。楽しい時間をありがとうございました！ (2023年2月25日 18時) (
レス) id: 1ba8aac85f (このIDを非表示/違反報告)
天邪鬼 - 最後泣けました！次に繋がるように話が書いてあって凄いと思いました! (2023年1月3日 23時) (レス) @page29 id: 04e101ca0d (このIDを非表示/違反報告)
シャノ - とても楽しませていただきました。ありがとうございます！絵がめちゃくちゃ上手いですね...！ (2022年11月7日 21時) (レス) @page29 id: 14aea54ff7 (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - 絵うまっ (2022年8月1日 19時) (レス) @page29 id: 52346b4a47 (このIDを非表示/違反報告)
チエ - 面白かったし最後泣きました。夢主ちゃんとザックが付き合ってよかったです。付き合ったその後をぜひ番外編としてだしてほしいです。 (2022年3月8日 13時) (レス) @page29 id: d855d99d2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朱璃 | 作成日時：2021年10月13日 15時
