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「そう、なんや」
「ほんまに、すまん」
頭を下げる。
自分の中でまっすぐと何かが繋がったけれどもやがかかっている。
私はとんだ悪女だったらしい。
「それって、私が悪いやん
謝るのは私」
私もごめん、と済ませられるようなことじゃないかもしれないが
何度もごめん、と言った。
「こんな話聞いて接しにくいかもしれへんけど
気にしんといてな」
「ありがとう」
私はそのまま荷物を持って帰った。
特にあの場にいて私ができることは無かったからだ。
本棚の奥にあるリングをもう1度机に置いて眺める。
私が悪女であった証拠のようなものだ。
私は宮侑にも謝らなければならないと思った。
浮気をしていたのにまだ付き合っているなんて。
まだ付き合ってる？
私はもう1度繰り返す。
どうしてまだ付き合っているのだろう。
浮気をしたら別れればいい。
簡単なことだ。
宮侑と私はどうして別れていないのだろうか。
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作者名：栗原 | 作成日時：2018年10月7日 19時
