8話 ページ8
ーあなたsideー
「AED持ってきました。」
「ありがとうございます。」
今3分か。
あと2分以内にどうにか。
「離れてください。」
とりあえず一回目。
あ、よかった。心拍再開。息もしてる。
一時的なショック状態だったのか。
「救急隊の方来ました。えっと、SixTONESのマネージャーさんですよね？状況聞きたいので同行してもらっていいですか？」
そっか。私、今マネージャーとしてここにいるんだ。
私がこの現場離れたら、マネージャーがいなくなっちゃう。
でも。今は。
「はい。同行します。」
ーーーーーーーー
チーフマネが運ばれたのは、私が後期研修をしていた救命。
処置を終えて、今は眠っている。
水「東堂、おつかれ。」
「水島先生、ありがとうございました。」
水「やめろよ。同期じゃん。」
水島拓人は私の後期研修の時の同期。
まさか、こんな形で再会するとは。
水「お前の処置が遅くなってたら、脳に空気が送られていない状態が救急隊が来るまで続いてた。脳に問題が生じたかもしれない。今回患者さんを救ったのは、東堂だよ。」
「そう、かな。」
久しぶりすぎて、なんか怖かったけど。
水「でも、肩の打撲もあるし、心臓も無傷ではなかったし。1ヶ月の入院かな。ご家族にさっき連絡した。」
「うん。」
水「戻ってこないの？」
え？
「私？」
水「お前以外誰がいんだよ。あんな一回の。」
「一回でもダメだよ。人の命がかかってる仕事なんだから。」
あ。瞼が動いた。
水「わかりますか。わかったら手握ってください。」
手が動いた。
脳も無事。
よかった。
ー松村sideー
事務所に連絡して、臨時のマネージャーが来てくれたおかげで、生放送も無事に終わって、チーフマネの病院にお見舞いに行けた。
マネージャー慣れしてる人だったら、騒ぎになることを考えて連れて行ってもらえなかっただろうから、臨時マネが不慣れな人で良かった。
チ「お、何。来てくれたの？、っていうか。全員で来たらダメじゃん。」
目覚ましてるし、なんか元気そう？
高「大丈夫なの？」
チ「うん。肩打撲したぐらい。でも、心臓にちょっと損傷があったみたいで1ヶ月の入院になる。ごめんな。」
田「そんなの別にいいよ。無事で良かった。」
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作者名：かなこ | 作成日時：2022年11月28日 16時
