19話 ページ19
「でも、こういうことになって。もしかしたらSEに戻すかもって言われて。、やっぱり医療にはご縁がないんだなと思ってたら、みんなが残れるようにかけあってくれるって言ってくれて。、嬉しくて。」
向こうを向いてるから表情はわからないけど、嬉し泣きだったのか。
京「医療が、医者の仕事が好きなんだね。」
「、そう、なのかも。私体が弱くて。、あ。いや。なんでもない。ごめんね。慰めに来てくれたんだよね。戻っていいよ。大丈夫だから。」
今、何を言いかけたんだろう。
京「聞きたい。Aちゃんの話。」
「、え？」
京「俺にとってはめんどくさくないし、無駄でもない。Aちゃんのこと、知りたい。」
ん？笑ってる？
「あ、ごめんごめん。、京本さんは、私の心を解きほぐす天才だね。」
え？
「欲しい言葉をくれるというか。、孤独でいいと思いながら、常に誰かを求めてる。そう思ってきた私にとって、京本さんは光だね。」
京「光、？、俺が？」
「うん。じゃあ、少しだけ自分語りさせてもらっちゃおうかな。、初期研修で、救命医の魅力に惚れ込んで、後期研修は救命でやることになってね。、やりがいがあるけど、とにかく大変な仕事だった。」
確かに、救命って激務なイメージあるかも。
「どんなに悲しいことがあっても、辛い状態でも、どんどん患者さんは運ばれてくるし、時間は待ってくれない。、食べたくなくても食べないと体力がもたない。、でも。私にはそれができなかった。亡くなった人にもその人を大切に思う家族がいて、。そう思うと食べ物が喉を通らなくて。、私、元々体が強くないの。だから、体調が万全じゃないと貧血を起こしたり、立ちくらみすることがあるの。」
この前みたいなことか。
「勤務中にそれが起こった。、目の前に重篤な患者さんがいるのに、処置中に私が倒れちゃって。」
京「大丈夫だったの？」
「あ、うん。その患者さんはね。でも、その時思ったんだよね。命を預かる職業なのに、。一分一秒を争うことがあるのに、健康不安がある人が医者なんてやっちゃいけないって。だから、」
ーあなたsideー
だから、辞めたのと続けようとして顔をあげたとき、
体が温かいものに包まれる感覚があった。
私、抱きしめられてる。、？
「京本さん？、、誰かに見られたら困るので。」
京「ここ、事務所だよ？大丈夫。」
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作者名：かなこ | 作成日時：2022年11月28日 16時
