31話 ページ31
二「まあ一応裏からこっそり出てくるように言っておくか。危害を与えるタイプじゃなさそうだけどね。ほら、花持ってるし。」
ほんとだ、お見舞いってとこか。
二「あのさ、Aのことどう思う？」
え、？
京「えっと、、。ハイスペックすぎる秘密主義のマネージャですかね。」
二「本当にそれだけ？」
どういう意味？
二「なにも思い当たらないならいいや。ごめん忘れて。」
ん？なんだったんだろう。
あ、Aさん。
「お待たせ。」
二「よし。行くか。」
「京本さんは家帰る？今日、オフだよね？」
完璧に把握してる。さすがマネ。
京「俺も事務所行こうかな。」
二「暇なら、YouTubeの撮影見に来る？」
京「え、良いんですか？見たいです。」
ーあなたsideー
事務所の人に無事にプレゼンが終わって、システムが採用されることになって安心して帰ろうとしていると、
prrrprrrr
あ、電話。
お母さんから？
「も、もしもし。」
母「A、久しぶり。怪我大丈夫？」
「あ、うん。怪我なんて大袈裟なものじゃないの。、もう退院もしたし。」
父と母は、私が大学を卒業して働き出したタイミングで元々持っていた会社を海外進出させ、今は海外で仕事をしている。
今世界で1番有名な社長といわれているぐらい、事業も成功していて、私にとって二人は憧れだ。
母「今ね、新しい事業がまとまりそうなのよ。だから、今の仕事が一段落したら一旦日本に帰るわね。」
げ。やっぱり様子見に来る？
「え、っと。」
母「久しぶりにAに会えるの楽しみだわ。颯はたまにフライトでこっち来た時に会いにくるけど、Aはこっちにくるのなかなか難しいものね。」
純粋に会いにくるんだとしたら嬉しいかも。
「私も楽しみにしてるね。」
母「あ、そうそう。あなたにお見合いの話もあるから、今度話すわね。じゃあ、また。」
え、え？
「ま、待って。お見合いって？」
うわ。切れた。
お見合い？やばい。どうしよう。
京「ね、今の何？」
わ、びっくりした。振り向くと、YouTubeの撮影の見学が終わったのか、京本さんが怪訝そうな顔でこちらを見ていた。
「今のって、？」
京「お見合いって言わなかった？」
聞かれてたんだ。
「なんでもないよ。家帰る？車で送ろうか？」
京「ごまかさないで。今、言ってたよね？お見合いって。」
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作者名：かなこ | 作成日時：2022年11月12日 11時
