3話 ページ3
ー京本sideー
Aさんってめちゃめちゃ適応能力が高い。
さっきまでの堅い態度が嘘のようにフランクに接してくれる。
「京本さん、お弁当これで大丈夫そう？なんか食べたいものあったら買ってくるよ。」
京「ありがとう。大丈夫だよ。」
リラックスさせようとしてくれているんだろうな。
プロ意識がすごい。
(コンコン)
「失礼します。すみません。今日、吹き替え演奏で来ていただく予定だったピアニストさんが体調不良で来られなくなってしまいまして。今日予定していた撮影が半分ほどになります。誠に申し訳ございません。」
え、まじか。
「リスケってことですか？」
「はい。」
ん？Aさんが予定表見て何か悩んでる。
「要するに吹き替え演奏できる人がいれば撮影できるんですよね。」
「え、あ、はい。」
「女性ですよね？」
何考えてんだろ。
「京本さん、今日の撮影がこの日にリスケになるのと、今日全部撮影終わらすのどっちが良い？」
え、？
京「今日はできないって。、え、出来ないんですよね？」
「今日やりたいなら、私がやります。」
は？
「え、あの。新しいマネさんですよね？ピアノ弾けるんですか？結構難しい曲なんですけど。」
「先程チラッと見たら、ショパンのエチュードって書いてあったんですけど、合ってますか？」
「あ、はい。」
え、弾けるの？
「5分いただければ、弾けますが。」
まじ？
「ヒロインと背格好も合いますし、いけるかもしれません。監督に相談してきます。一緒に来てもらっても？」
「かしこまりました。京本さん、お昼食べてて。」
え、嘘でしょ。？
Aさんって何者？
結構難しい曲らしくて、吹き替え演奏でヒロインの背格好に似てて手が綺麗な人探すの大変だったって聞いたけど。
5分あれば弾けるってどういうこと？
プロのピアニストだったってこと？
東堂Aって調べても何も出てこないけど、、あれ？
これって。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 196人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かなこ | 作成日時：2022年11月12日 11時
