5: an unexpected smile ページ6
次の日から朝練が始まった。
高校の部活ってこんなにシリアスなんだ…
「げっ… Aその顔どうしたの」
角名に辛辣なことを言われたのも仕方がない。
それも、昨日の帰りに買ったバレーの本を読んだりネットで稲荷崎の情報を漁ったりしているうちに夜が明けてしまって、ほとんど寝ていなかったのだ。
「バレーの勉強してたら朝になってた…」
「何それ、真面目かよ」
「角名倫太郎、MB。身長185.7センチ。体幹のコントロールに長けていて、打点の幅を武器に…」
「うわ… すごいけどちょっと引くわ」
「フフン。
ノートにまとめてきた」
角名に手書きのノートを見せていると、治が寄ってきた。
「おお、偉いなあ。
でも睡眠不足北さんにバレたら怒られるで」
「ひっ… 今日からはちゃんと寝ます!
二人とも練習頑張って!」
角名と治とのやり取りを離れたところでアツムが見ていたみたいで、目が合う。
いつもは目が合う度にしかめっ面してくるんだけど、今回はベロを出されただけだった。
こっちもやり返したら、あいつは一瞬笑った。
確かにこんな大人気ないやり取りは一周回って面白いかもしれない。
ていうかミヤアツム、黙ってればかっこいいじゃん。
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作者名:ありさ | 作成日時:2020年6月16日 17時