2: japanese lunch time rush ページ3
教室に入って真っ先に目に留まったのは、さっきの金髪頭だった。
あいつと一年間同じクラスだなんて最悪。
目が合うと明らかに嫌そうな顔をして視線を外された。子供かよ…
ため息をついてあらかじめ決められていた席に座ると、周りからの視線を感じた。
「聞いた？あの東さんって子、宮侑に喧嘩売ったんだって」
「うわー、新入生なのによくやるね」
全部聞こえてるし…
さっきの口喧嘩のおかげで私はちょっとした有名人になってしまったらしい。
最悪な第一印象。
こんな調子で友達できるかな…
結局ろくに友達もできずに昼休みになった。
夢に見てた日本の購買に早足で向かう。
「パシられてんの？」
初めて聞く声に反応して振り向くと、背の高い茶髪の男の子が立っていた。
「いや、自分の分を買っただけです…」
「え… まさかそれ全部食べるの？」
「？ そうだけど…」
「治の食べる量もえぐいけど、あんたもすごいね」
なんか…引かれた？
今朝の金髪頭といい、この学校って失礼な生徒しかいないの？
「治って…？」
「え、知らない？双子の」
「引っ越してきたばっかだから…」
「もしかして、『東さん』？」
「そうだけど…」
「俺、あんたが今朝喧嘩売った侑と同じ部活仲間の角名っていうんだけど」
「言っとくけど喧嘩売ってきたのはあっちだから」
「ふーん」と、悪戯っぽい笑みを見せた。「気に入った。ちょっとついてきてよ」
登校初日、変なやつに気に入られちゃったかもしれない。
3: an unwanted invitation→←1: hate at first sight
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 221人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ありさ | 作成日時：2020年6月16日 17時
