13: friend or foe ページ14
「東さん… 英語、手伝ってくれへんかな?」
「えっ」
確かサッカー部の男子に声を掛けられる。来週あるスピーキングのテストの練習に付き合って欲しいらしい。
今日最後の授業は自習だったから、隣の席に座って英語の発音を直したりしてあげた。爽やかだし話しやすくて、なんとなく人気ありそう。
チャイムが鳴って、教室を出る準備をする。
「この後、空いとる?お礼になんか奢らせてよ」
「ごめん、今日は部活あるんだ!」
「ちょっと遅刻するぐらい大丈夫やろ」
「うちのマネージャーに何か用でもあるん?」
「あ、侑くん…!」
とてつもない圧に背筋がゾッとした。
もう一回誘いを断って、侑くんと教室を去る。
いつもなら突っかかってくるのに、妙に静かだ。なんか、不機嫌そう…
「な、何?どうかした?」重い空気に耐えられなくて、とりあえず聞いてみる。
「お前なあ、もっと危機感持ったほうがええで」
「え、?」
「あいつ、女癖最悪やからな。可愛え女の子片っ端からマークして狙っとるから」
「えっ」
嘘、めっちゃ良い人っぽかったのに… でも、侑くんは人でなしでも、嘘つきではない。
「今、遠回しに私のこと可愛いって言った?」
「言ってへんわ…!」
「いや、絶対言った」
そろそろ私たちの言い合い喧嘩の頻度は宮双子の乱闘の次にランクインしたと思う。
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作者名:ありさ | 作成日時:2020年6月16日 17時