誰のものにもならないで。M.J ページ8
______君を拒否することなんて、俺にはできない。
「…潤？今すぐ来て。」
三ヶ月ぶりに聴いた声。
俺に助けを求める、か弱い声。
…今回の男はたった3ヶ月か、と
誰にぶつけることもできない怒りと憎しみが交差する。
「A？」
「…じゅん、」
「おいで。…大丈夫だから」
ギュゥ、と。
3ヶ月ぶりに駆け寄った君の華奢な肩を抱いた。
前に会った時よりもずいぶん痩せた気がするのは気のせい？
あぁ、また。
こんなにも痛むのは…俺の胸か。
「…潤、じゅん……」
「大丈夫。ここにいる」
俺の背中に回る、君の細い腕。
少しの力で折れてしまいそうな、細い腕。
「…わたし…また、捨てられちゃった…」
「…」
「…もぅ、いらないって。わたしなんかいらないって…っ」
「A…大丈夫。大丈夫だよ」
「…じゅん…ぅ…っ」
______もう、これで何度目だろう。
俺が君の失恋を癒すようになってから
君がこうして俺を呼ぶのは。
俺じゃない男を想って泣く君を腕に閉じ込めながら
俺は…君の笑顔をどのくらい見られてないのかと
思ったりする。
ふんわりした、花のような笑顔を
俺は、どのくらい見られていないんだろう。
『じゅん！まって！』
『Aちゃん！こっちだよー！』
『じゅんだいすき！』
『ぼくも、Aちゃんだいすき！』
…ねぇ、あの頃の俺たちに戻れるなら
純粋に、両想いだったあの頃に戻れるなら。
君を腕に閉じ込めて、誰にも触れさせないように。
寂しい、と言って俺を呼び出す君を一生包み込んでみせる。
…俺なら、君にそんな想いはさせないよ。
絶対に、絶対に幸せにするから。
______ねぇ、頼むよ。
「…潤？」
「大丈夫…ここにいるから、今日はもう眠ろう」
もうこれ以上、俺を苦しませないで。
____________誰のものにもならないで。
君が"俺だけ"のものには一生ならないと知りながら
それでも俺は、君を想い続けてる。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 567人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くぅ。
| 作成日時：2015年8月24日 16時
