☆【ARS】短編集5 ☆ (ページ4)

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遊び人の俺。2 ページ4

キターー！
ね、オレの作戦効いてるでしょこれ？
ごめんなさいってなったでしょ？

「いやいや、俺の方こそ…
君は大丈夫だった？」

当たった肩をさすりながら
ニッコリ笑顔を作って彼女に聞けば

「…だ、大丈夫です…」

ってほら、ちょっと顔が赤いよ？お嬢さん

「…そう？」
「はい、あの、ホントに大丈夫ですか？」

そう心底不安そうに聞いてくる顔がクッソ可愛い。
あぁ、早くベッドインしたーーい！

なんて考えてることは意地でも悟られちゃいけないから

「んー、ちょっと痛むけど」
とか言ってみる。
ほんとはこれっぽっちも痛くねぇけど。

「…え、ほ、ホントですか？
申し訳ありません、なにかお詫びを…」

ってね、ほらぁ！
作戦成功なんてもうすぐでしょ！！

それから俺はニッコリ笑って

彼女の手を取る。
そんで、こう言うの

「…お詫びなんていいから、俺と抜け出さない？」

って！ね！
どうよ！

彼女の反応は…？

もちろん！

「…あ、抜け出して病院にってことですか？そんなに痛むの…どうしよう。
あの、どこが痛みますか？私一応看護婦なので、少しだけなら手当できると思います…」

ズコーーー！orz

そうきたか！
そうきたか！えぇ？！

普通はさ、もっとさ、
「抜け出すってどこに？」
「決まってんでしょ？二人きりになれるとこだよ」
「…きゃ、そんな恥ずかしい…」
「ふふ、かーわい。ベッドの中でお話ししよっか？」

とかゆー展開を期待してたのにね！！

な！ぜ！病院！
しかも看護婦とかちょーそそる！
この顔でナース服着てんの？
二宮さん、注射の時間ですよ？って？
ぐふ、想像して、ニヤける。

いや、ちがう！そうじゃないだろ俺！

俺の今回の目的は、この子とベッドインすることでしょ？！

それがなんで病院に行くことになってんのよ？

あ、病院のベッドにインする？
ってそれ、にゅう！いん！
患者と看護婦が、夜のベッドで？
ってえーぶいか！
俺は普通の設定でいいのよ！

「…いや、病院？に行くほどまでじゃ…」
「でも、痛いって…」
「…ま、痛みはしますけど、そこまでじゃないのよ、うん」
「ほんとですか…？痛むなら早く診てもらわないと」
「いや、大丈夫！うん、ほんとに！」

…どこが痛むって、胸だよ胸ぇ！！

あぁ、もうヤダ。

ニノちゃん戦意喪失。

でもこんな可愛い看護婦さん逃すのもったいない。

「…ね、とりあえず、名前教えて？」
「病院の、ですか？」

ちっげぇわ！
……俺、こんな子、初めて。

遊び人の俺。 fin