【ＬＵＣＩＦＥＲ★ﾙｼﾌｧｰ】 ARS (ページ7)

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７】裏と表/和也ページ7

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…いないもんだな……と、思った。

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こうして眺めてみると…

そうは世の中…簡単にはいかないもんだ…

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ガキの頃のまま、大人にさえなれなかったヤツもいれば

変に曲がって、余計な物をくっつけたヤツもいる。

今日のような酒の席は…

そいつの「本当」を見るには、都合が良かった。

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『…やっぱり… …アイツしかないか…』

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選別から、勝手に落ちていく集団…

そこから「別の誰か」を探すという…無駄な努力はやめて

俺は、森田雅紀の横顔を見つめた。

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そして、改めて思い知る。

やっぱりアイツは…誰よりも、強かったんだと。

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アイツが笑う。あの席の、誰もが笑う。

そう…今も、昔も

雅紀の周りには、笑顔ばかりが集まっていく。

不思議なヤツだ。

酒とタバコと、見栄で濁る…こんな場所でも

一人だけ

まるで夏の校庭に、体操着でいるみたいな(笑)

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金谷「宮下くん、飲めないの？」

和也「…ん？あぁ…そう、医者に止められてんの(笑)」

金谷「また～(笑)昔っからそうやって冗談…… …え、本当にどっか悪いの？」

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隣にいた「心配性」の金谷は

そう言うと、俺の口元を見つめた。

だから、昔のように…頬をニヤリと上げてやった。

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金谷「は(笑)…なんだぁ、ほらいっつもそうだもん。宮下くんにはからかわれてばっか(笑)」

和也「…からかわせてたんだろ？お前が」

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金谷は、地雷を踏まずに済んで安堵したのか

さっきより、やけに楽しげに酒を飲んだ。

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金谷「確か…俺は実は養子だとか、昨日万引きしたとか、そんな嘘ばっか言ってさぁ。オレがビックリすんの、いつも楽しんでたもんな～」

和也「…人を拾ったとかね(笑)」

金谷「アハハ、今思えばオレが騙されやすいんだよね(笑)」

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こうして金谷は、またひとつ…俺に嘘をつかせる。

悪意の無い、あの眼差しで「ホント」を全て「嘘」にさせて

仕方なく表に返したオレのコインを見て

「良かった良かった」と、幕を閉じる。

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【全ては裏に・もし見せるなら・相手を選べ】

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金谷

俺はガキの頃、お前から…そう教わったよ

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