何度でも－ Ⅱ － (ページ11)

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61話ページ11

龍友side

僕らは隼の病室を出て、待合室のソファーに沈んだ。

龍｢僕らのこと、怖がってたな、｣

メ｢手握らせてくれなかったし……｣

玲｢それはメンディーくんだからとかじゃなくて？｣

裕｢たしかにメンディーくんだからな笑｣

メ｢おいっ！｣

涼｢病院なんだから静かにしてくださいっ…！｣

メ｢あっ……｣

そんな話をしていると、亜嵐くんらしき姿が見えた。

龍｢亜嵐くん、隼は？｣

亜｢うん、さっき呼吸乱れちゃって、

安定剤打って今は眠ってる。

命に別状はないから、今日中には退院できるって。｣

龍｢呼吸乱れた、？何があったん？｣

亜｢俺らにいろいろマイナスなことを言われたらしい。

それで、自分は消えなきゃいけない存在だと

思い込んでるっぽくて、、｣

裕｢俺らに言われた、？

そんなんいつ言ったかどこで言ったか記憶にないけど……｣

亜｢うん、みんなもそんな記憶はないはず。

俺の推測だけど、

たぶん隼の見た夢の中でそう言われたんだと思う。

それを現実だと思い込んでるんじゃないかな。

今の隼は頭の中がごちゃごちゃだから、、、｣

やっぱり亜嵐くんもそう思ったか、。

僕らが言うはずないねん、

そんな、"消えろ" とか。

亜｢あと、名前も曖昧になってきてる。

さっき俺の名前"あ"から始まることは分かってたけど、

ちゃんと言えなかった。｣

涼｢え、、、｣

始まってしまった。

名前の薄れ。

忘れられたくない。

忘れられるのが怖い。悲しい。

僕らとの大切な日々だけは、

隼の頭の中から消されたくない。