ときどきでいいよ、かまってね。

kota.yabu ページ4

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クラスに

頼りなくて、
すごくドジで、
周りから助けてもらってばっかで、
忘れもんも多くて、
でもいつもにこにこ笑ってて、
なぜか憎めない。

そんな奴がいる。
いわゆる、愛されキャラってやつ。



最初は、なんとも思わなかった。

まぁ、そーゆー奴もいるわな。
って思ってただけだった。


でも、隣の席になって。

いつの間にか好きになって。

告白したらOKだった。


付き合ってから一緒にいればいるほど、
すごく愛しい存在になっていった。


でも、そんな可愛いやつを男子が放っておくわけがなくて。

俺の彼女だと知ってるはずなのに
いのちゃんや光、大ちゃんがよくちょっかいを出してくる。でも高木は無関心みたいだけど。



「薮くんっ」


「ん？どーした」


「伊野尾くんが、ホルマリン漬け見せてきた」



半泣きで学ランの裾を掴む。
うっわ、可愛い。

つかなんであいつホルマリン漬け持ってんの。



「大丈夫、そんなんどーせ偽物だから」


「うんっ、分かった」


「うわー！また薮に泣きついてるー！弱虫っ」


「有岡くん...やだ...嫌い...」


俺の背後にサッと隠れる。


「大ちゃん...お前は小学生か！」


「うっせ、薮のリア充野郎！羨ましいぞー！」


「もう。薮も大ちゃんも騒ぐなよ。
ほーらA、こっちおいで。」


「光、どさくさに紛れてなに言ってんの？
Aも素直に行かなくていーから」



毎日騒がしいし、
Aがモテることに不安にもなるけど、
楽しく過ごせてると思う。


それに。


「A、幸せ？」


「とっても！」



彼女が幸せならそれでいいかな、って。



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