不幸少女と菊地原くん1 (ページ6)

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5話「不幸少女は嘘がつけないようです」ページ6

菊地原side

学校から帰ってくると家の前に見たことない女がいた。
「ねぇ僕の家の前で何してるの？」
そう聞くと女は焦りながら走って逃げた。

なんだったんだ？
変な人だったな…
あんな暗い目をしているなんて……

それから僕は防衛任務をしてる時もあの女の事が頭から離れなかった。

家に帰る途中の公園で女のすすり泣く声が聞こえた。
見てみると昼間の女だった。

「なんで泣いてるの？」

普段はめんどくさい事は大嫌いで人と関わりたくない方なのに……

「なっ泣いてないよ」

女の鼓動が早くなった

嘘をついてる。

「嘘つき……僕耳が人より良いんだ…キミの泣き声聞こえた」

そう言うと女はますます鼓動を早くした。

Aside

菊地原くんのSFで泣いてる事がバレた。
だから言い訳をしようとした。どうせ辛いことを言っても誰も助けてはくれないのだから……

「えっと……」
やばい
言い訳けが思いつかない……

「キミ名前は？」

「えっA……AAだけど……」
「ふーん、
あっ僕は菊地原士郎」

うん、
知ってるよ

「見た感じ僕と同じくらいだと思うけも家は？」

「えっ……家はその……」

「…………」
「…………」

数分間の沈黙

「もしかして迷子？」

「…ちがうよ」

「じゃなんでこんな所にいるの？」
「……帰りたくない(小声)…………なんでもないのもう家帰るね」

そう言うと私はまた走って逃げようとした。もちろん帰り方なんて分からないけど

人と話すのは緊張する

それが好きな人だとさらに。

これで良いんだ…
本来なら会えるはずが無かったんだから
会えただけでも感謝しよう。

これでもう死んでも後悔はない……

ガシッ

私の腕は菊地原くんに掴まれた。

「帰りたくないって言ってるのに家に帰るの？帰りたくない所に帰って何が良いことあるの？」

「えっ」

次の瞬間不意に菊地原くんに抱きしめられた。