19話「不幸少女は初めて愛されました」 ページ21
もう忘れたいのに、菊地原くんには幸せなって欲しいのに
なんでまた出会っちゃうの？
「ねぇ家に帰ろう」
「……嫌だ」
「…………」
「おかしいよ……なんでこんな赤の他人の私に優しくするの？菊地原くんにメリット無いじゃん……………………」
「…………」
「お願いだからもうほっといて…………どうせ私いつもひとりぼっちなの…………
菊地原くんが私を助ける理由も引き止める理由もないでしょ？……」
「理由があればよいの？」
「えっ？」
菊地原くんのすごく真面目な顔////////
かっこいい////////
「好きだよA」
「っ！？」
えっ今なんて……
「今なんて？」
「はっ？聞こえなかったの耳悪っ」
「…………」
ギュッ
私は強く強く菊地原くんに抱きしめられた。
「だから僕はAが好きだよ、だから一緒に居たい…守りたい」
「っ////////////////」
嘘みたいだ////////
だってあの菊地原くんが私なんかを
「うっうそ……」
「僕本気だから」
菊地原くんは私の目を見てハッキリとそう言う。
人の目を見たのは何年ぶりだろう……
「だって菊地原くんが私なんかを好きになるなんて……」
「……あのさ、自分の事どう思っていても良いけど僕の気持ちまで勝手に決めないでよ、
僕は本気でAが好きだよ。いくら僕でもこんな事嘘でも言わないから……てか何回も言わせないでよね////////」
そうだ菊地原くんは小さな嘘も多いしツンデレな所はあるけど
嘘で人を好きなんて言わない
根はとても優しい人だから……
ギュッと強く私からも抱きしめ返す
「私も……私も菊地原くんが好きっ」
自然と涙が溢れてきた。
いつもの涙じゃない
そうかこれが
嬉し泣きなんだ
「ほら家帰るよ皆待ってるから」
「うん！」
菊地原くんとなら本当に幸せになれるそんな気がした。
不幸な16年
誰からも愛されなかった16年は終わり
AAは初めて人に愛される事の嬉しさを知りました。
第1章 「不幸少女はワートリの世界にトリップしました」
完
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作者名：アレン | 作成日時：2019年3月9日 0時
