純粋無垢な終焉を 2 【D.Gray-man】 (ページ9)

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「さっきから守ってばっかじゃねェーの、なに？勝ち目見えなくて絶望しちゃった？」

『……』

「今なら苦しまないで殺してやるぜ、なぁティーズ」

ティキは右手に蝶を呼び寄せ口付ける
不気味な色をしたその蝶は私の横を通り過ぎた際、血生臭さがこびりついていた

『よく喋るね、アンタ…
自分の力に酔いしれるのも良いけど…』

私はゆっくり瞼を下ろし持っている鎌に力を込める
右足を後ろに引き、左足に体重をかける

イノセンスが強い光を放ち始めるのと同時に一気に奴の目の前まで駆け出し鎌を振る

『あんま人間、ナメないほうがイイよ』

「…っ__早ェ〜…」

私の攻撃の中で唯一の瞬発を誇るものだが、奴はそれを寸手でかわす

やっぱりノアの強さはアクマの比ではない
鎌鼬や乱舞を無闇矢鱈に使っても体力を消耗していくだけだ

ラビも折れた右腕を庇いながらティキと戦うのには限界がくる

攻撃を繰り返していると空が蠢くのがわかり、ふと見上げる

上空にいたアクマの大軍は一ヶ所に集まりやがて密度を増し固まって行く

そして、巨大なアクマへと変貌を遂げる

「なんさっ、あれッ！、」

『…気持ち悪、』

「よそ見してる場合じゃねェぞ」

ラビと私は不意を突かれティキの攻撃で吹っ飛ばされる

ヤバい、脇腹モロに入った…ッ

受け身を取り上体を起こすとボタボタッと右脇腹から生暖かい血が流れ出てくるのがわかる

これ以上出血しないよう手で創部を圧迫する

『…、楽に殺してはくれなそうだなぁ』

空の澱みは澄んでくれそうにない…__

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