純粋無垢な終焉を 2 【D.Gray-man】 (ページ46)

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呑気な事を言う私達の言葉に、チャオジーは大きく笑っていた

「神の使徒様なんて言うから、もっと人と違うこと考えてる人達かと思ってたっス…冗談言って笑ったり…恐怖とか、全然ないのかと…」

そう言った彼の手はカタカタを震えていて、無理して笑っている様にも見えた

アレンはその震える手にそっと自分の手を添える

「あとひとつ…この先に待ってるものを乗り越えればきっとホームに帰れますよ、不安な時は楽しい事を考えるんです、元気が出ます…大丈夫…」

その優しい言葉に彼は涙を浮かべ頷く

その空気を裂くようにレロが叶いもしない事を考えても無駄だと吐き捨てる

「…僕がホームで一番したいことはみんなでコムイさん達に”ただいま”を言う事です、___どんなに望みが薄くったって何も確かなものがなくったって、僕は絶ッ対諦めない」

アレンはそう言って微笑むと身を翻す

その後ろ姿が、とても眩しく見えて…思わず目を細めてしまう

多分それは、隣にいるラビもそうだろう

アレンに続いて一つの扉に向かい、皆んな歩み始める

「話は…終わったタ？」

仲間の声では無い声に緩んだ気が一気に引き締まる

振り向いても、声の主はいない

「まさか、ノアかッ！？」

「いえ！！アクマですッ！僕の左眼が反応してるッ！！」

「そんな…ッ！！」

目を凝らし、登ってきた暗闇の先を見つめる

カツカツと重苦しい足音が鼓膜に響く

徐々に輪郭があらわになって、闇を抜けてきたソイツは…

『レベル…3…』

ニヤリと笑うそいつは親指で人差し指を弾く
その瞬間、透明な何かがこちらに向かってくる

『なにか飛んでくる…、避けて！』

各々のイノセンスで飛んできたモノ弾き落とす

乾いた音を立てて落ちる物体を横目で見る

『…針…？…』

「なんさ、これ…」

「触っちゃダメだ！！」

落ちた針に手を伸ばすラビ、それを制止するアレン

よく見ると、その針には暗赤色のなにかが垂れている

『毒針だ、これ…』

「それに触れれば…細胞は壊死するヨ」

レベル3のアクマはそう口にすると自分の掌をこちらに見せてくる

その手からはドロリとした液体が絶えず流れ出ている

「お前らは…ここで終わリ、」

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