純粋無垢な終焉を 2 【D.Gray-man】 (ページ5)

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日本に来て早々に嫌なものを見てしまったと共食いをしているアクマをよそ目に空を見上げる

空は墨を垂らしたかのように暗く澱んでいる

言いようのない不快感で身震いしたときのこと
ちょめ助に異変が起きた

ふらついたと思ったら急に頭を抑えて蹲る

「どうしたさ、サチコ！」

『サチコ？』

「ちょめ助でいいって言ってんだろ！は、伯爵様からの送信っちょっ！！メチャメチャデカい送信で制御がきかな…アカン頭がグラグラしてきた…オイラ誰？ここドコ？…」

サチコ(ちょめ助)は脂汗をタラタラと流しながら伯爵からだという送信に耳を傾けている

『私達の侵入がバレたの？』

「い、いやそうじゃないと思うっちょ…この送信範囲は、伯爵が日本全てのアクマを呼び集めようとしてるっちょっ！！」

ちょめ助の額にペンタクルが現れて先程よりも頭を抱えて苦しげな呻き声をあげる

「しっかりしろさちょめ助！！」

「いったいどうしたというのだ！」

ラビとクロウリーが慌てふためく中、徐々にちょめ助は自我を失い始めている

「オ、オイラはアクマだけどマリアンの改造で伯爵様の命令は聞かなくても行動できるようになったっちょ…っでも、この伯爵様の送信は…つ、強す…ぎ、る……」

突然立ち上がったちょめ助はユラユラとしながら前進していく

「ごめんちょラビ…オイラ伯爵様の元に行かなきゃ……」

「待って…伯爵の元って、まさか！？」

「___江戸帝都に今、千年伯爵様が来てるちょ…」

この江戸に今、千年伯爵が来ている

何処かで鴉が飛び去り、月は黒く欠けている…

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