純粋無垢な終焉を 2 【D.Gray-man】 (ページ3)

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アニタさんから甲板に来るよう呼ばれた私達は防水のコートを羽織り彼女たちの元へ急ぐ

雨が降る中、甲板に見える姿はアニタさん、マホジャ、その他3人の船員のみで後の船員達の姿はない

「あの、船員方の姿が全然見えないであるぞ？」

「あっホントだ」

クロウリーの疑問に対しラビが反応する
するとアニタさんは困った顔で微笑み謝罪する

「ごめんなさい、彼らには見送りは不要だと伝えました、今は船内で宴会して騒いでいます、どうかお許しください」

___最期の時を各々の思うように過ごさせてやりたかったのです

「まさか、生き残ったのはあなた方だけなんですか…！？」

リナリーの言葉でミランダがグッと唇を噛み締める
その肩にそっとアニタさんが手を置く

「良いのです、私達は皆アクマに家族を殺されサポーターになった、復讐の中でしか生きられなくなった人間なのですから…我ら同士の誰ひとり後悔はしていません」

「江戸へ進むと、我らが作った道を引き返さないと言ってくださった、それがとても嬉しいです」

マホジャの言葉に続けて拡声器から船員達の大声が響き渡る

【勝ってくださいエクソシスト様ー！！我々の分まで進んでください！先へ！生き残った我々の仲間を、守って下さいっ！！平和な未来で我らの同志が、生きて欲しい…っ】

【勝ってください！！エクソシスト様！！！】

雨なのか涙なのか、わからない
でもどうしようもなく辛く、悲しく、悔しい…

ちょめ助が新しい船を浮かし、それに私達は乗り込む

「さ、アニタさんとマホジャさんも」

リナリーが手を伸ばすとアニタはそれを掴もうと

するのではなくスッとリナリーの短くなった髪に手を添える

「髪…また伸ばしてね、とても綺麗な黒髪なんだもの、戦争なんかに負けちゃダメよ？」

___さようなら

綺麗に微笑みアニタさんは手を離す

「そんな…アニタさんっ！！そんな…ッ」

涙を流すリナリーをよそに船は上昇し、アニタさんの姿が少しずつ小さくなる

ミランダは苦渋の決断でタイムレコードの発動を解く

するとアニタさん達が乗る船は崩壊し始め海に沈んでいく
どれだけ酷い戦いであったかわかる

「勝ちます、、っ必ず…」

リナリーは消えて行く船を強い眼差しで見つめている

この戦いで、私達は失うものが多すぎた

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