純粋無垢な終焉を 2 【D.Gray-man】 (ページ19)

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アレンくんの声が、聞こえた気がした

真っ暗な中で手を伸ばしても届かない

__アレンくん、みんな…どこ、？

1人は…いや、

伸ばした手を誰かがゆっくりと握る、温かい手…

目を覚さなきゃ…早く…___

—-

「リナリー」

優しい声が聞こえて、ゆっくり瞼を押し上げるとアレンくんの姿が目に入った

「アレン…くん…？」

少し掠れた私の声にアレンくんは反応し微笑んでいるが、少し目を伏せ、私に謝罪する

何故、彼が謝るのか…分かっていた
優しい貴方の事だからずっと1人で抱えていたんでしょ…？

私はゆっくり上体を起こして彼の頬に手を寄せる

「どうして、謝るの？スーマンの事ならアレンくんは救ってくれた…無惨に殺されただけじゃないよ、きっとスーマンの心はアレンくんに救われてた…」

思っている事をそのまま伝えると、彼の左眼に薄ら膜が張っていく

それを見て、私の視界も歪んでいく
言わなきゃ、彼に

「おかえりなさい、アレンくん」

1番、言いたかった言葉を伝える事が出来た

アレンくんは頬に触れている私の手をそっと握ると涙を溢し

「__だ、い__ま…、ただいま…リナリー」

あぁ…やっと、笑ってくれた
私も一緒に微笑む

バシャャン！！

水が入ったバケツがひっくり返るような音がしてそちらに目を向けると視界が真っ暗になり知ってる匂いが私を覆い尽くした

「あ、こらA！いきなり抱きつくな！危ねェさ！」

「水、全部こぼして来ましたね」

ラビとアレンくんの言葉に反応すること無く、Aは私を抱きしめる力を強めた

「A…？」

ゆっくり彼女の背中を撫でると、私の首に顔をうずめ額を擦り付ける

『…よかった…、心配した……』

鼻をすする音が聞こえた

いつまでも、泣き虫なのは変わらないね…もうこんなに、大きくなってるのに

「ごめんね…いつも、心配かけて…」

ポンポンと背中を優しく叩く

ゆっくり顔を上げ私を視界に捉える彼女の瞳には涙の膜が張っている

『…許す…』

その言葉に私はクスッと笑ってしまった

可愛い妹の頭を撫でていると耳元でパチっと静電気の様な音が聞こえた瞬間

「え？」

身体が、地面に…飲み込まれて行った

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