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「Aも眠れないの?」
「うん、嫌な夢見ちゃって」
「思い出させちゃったね」
「大丈夫、もう割り切ってるから」
小声でお兄ちゃんの死、と付け足した。もう十分時は経った。もう割り切る必要があるんだ。もちろんお兄ちゃんが亡くなったのはとても辛いことだけど、もっと私が強ければお兄ちゃんは死ななかったのに、と悔しさの方が強い。
「Aの方が辛いのに、私は......」
「それよりもお互い生きているのに会えない方が辛いよ。それに責任感が強い蛍ちゃんのことだから頼られすぎて疲れちゃったんだよね」
蛍ちゃんに向かって優しく微笑み、彼女の手を取った。
「ちょっとお休みしよう。無理する必要はないよ。それに辛かったら泣いてもいいんだよ。旅の仲間なんだから少しくらい頼って。弱いから頼りないかもしれないけど......」
「そんなことない、Aは十分強いよ。それに......ありがとう」
「どういたしまして。蛍ちゃんたちが幸せならそれで十分だよ」
二人で夜が明けるまで静かに笑いあった。
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月海(プロフ) - けんとさん» わー!コメントありがとうございます!現パロいいですよね。頑張ります! (2022年9月24日 13時) (レス) id: f68382bc80 (このIDを非表示/違反報告)
けんと - 初コメ失礼します、え?神?尊い、、生きるかてをありがとうございます!特に現パロめちゃ好きでした、!応援してます (2022年9月23日 15時) (レス) @page13 id: a76f20d172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月海 | 作成日時:2022年9月5日 20時