王子様 ページ1
「おはよう、A」
意識が浮上した。どうやら長い間寝ていだようで頭が痛い。体を起こそうとするが体が怠く、首から上を少し動かすので精一杯だった。
とりあえず寝ぼけ眼で声がした方を見ると、長い金髪を三つ編みにした美少年がベットに腰掛けこちらを見ていた。丁度彼と目が合った。何故か少し恥ずかしくなって彼から目を逸らした。
「気分はどう？気持ち悪かったりどこか痛かったりしない？」
声を出そうとするが、空気が抜ける音しか出なかった。仕方がないのでこくんと頷くが、彼は不調なことを見抜いたようで眉を下げて小さく笑った。
「Aのことだから強がってるんだよね。無理しないで」
と私の頭を撫で始めた。その手はとても暖かかった。
「記憶を失くして混乱してるところ申し訳ないんだけど、聞いて欲しいな。君の名前はA。ある事故で記憶を失くしたんだよ」
思い出して欲しくないから詳細は語らないけど、と付け足した。そんなに酷い事故だったのだろうか。全て忘れてしまっているからわからないけれど。
「そして俺は空。君の恋人だよ」
窓を開けて月を見上げる。彼が帰ってくるまでの日課となっていた。
あれから何ヶ月か経った。
空には外は危ないから出てはいけないと言われ一度もこの部屋から出たことはなかった。この部屋にいる限り自由にしてていいので特別不自由はしていなかった。それに空の言うことは全て正しいから守らなくてはいけない。
しかし本の世界でしか知らない外の世界を一度でいいから見てみたかった。想像の中の外の世界は空が言うような危ない世界ではなく、心が弾むようなそんな世界だった。
「ただいま、A」
「！空、おかえりなさい！」
扉が開く音が聞こえた瞬間走り寄り、勢いよく空に抱きついた。空は体勢を崩すことなく受け止めてくれた。
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月海(プロフ) - けんとさん» わー！コメントありがとうございます！現パロいいですよね。頑張ります！ (2022年9月24日 13時) (
レス) id: f68382bc80 (このIDを非表示/違反報告)
けんと - 初コメ失礼します、え?神?尊い、、生きるかてをありがとうございます!特に現パロめちゃ好きでした、!応援してます (2022年9月23日 15時) (レス) @page13 id: a76f20d172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月海 | 作成日時：2022年9月5日 20時
