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その時だった。
「はーい、3対2。不利なのはそっち」
「一人で行くなって言っただろ、バカ」
後ろから聞きなれた声がして振り向くと、
「伊吹さんっ…志摩さんっ…」
そこには頼れる先輩が銃を構えていた。
「…ちっ」
「…あ、兄貴、どうしますか」
二人が動揺しているのは、ナナさんの頭に突き付けられた銃が震えていることからも明らかだった。
だから、
「もうすぐこれの比じゃないくらいの人間が来る。どうする?逃げるなら今だ」
俺はもう一度拳銃を構え直し、男たちに言い放った。
すると、
「クッソ!!」
彼女を拘束していたスキンヘッドがナナさんを突き飛ばし、ベランダへ走った。
「伊吹っ!」
「分かってる!」
あたふたする舎弟を志摩さんが取り押さえ、その隙をついて伊吹さんが目にも止まらぬ速さでスキンヘッドを確保する。
「住居侵入及び誘拐未遂で10時30分、現行犯逮捕」
「同じく〜」
そう言った志摩さんと伊吹さんに確保され、うなだれる男たち。
遠くからはパトカーの音も聞こえ、もう大丈夫だと彼女に駆け付けようとした時だった。
「…ナナさん…?」
カチャリと音がした方向を見ると、
「…何…してるんです…?」
舎弟が持っていたはずの拳銃を、彼女は自分の喉に突き付けていた。
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リトルバード(プロフ) - さえきsaekiさん» 返信遅くなりました…泣 ドラマが終わってからこちらのサイトにはログインしておらず気づくのが遅くなってしまいました。ごめんなさい。そしてすてきなコメント本当にありがとうございます!ドラマ終わってしまいましたが読んでもらえて嬉しいです!ごゆっくり〜 (2021年12月16日 23時) (レス) id: 16f707b051 (このIDを非表示/違反報告)
さえきsaeki(プロフ) - この作品残っててよかったです!しばらく404作品読んでなくて検索したりしたらずいぶん消えてしまっていて…きっと作者さんがログインされてないんですかね…でもここは残ってて何度読んでも感動できる作品がまた読めて幸せです…!ありがとうございます!! (2021年9月13日 20時) (レス) id: c60363b2be (このIDを非表示/違反報告)
リトルバード(プロフ) - mmkさん» mmkさん!初コメ嬉しいです…。書きながら「あ、これは読者様にはもしやはまっていない?」と思っていたので(笑)一人でもおもしろいと言ってくれる方がいて本当にありがたいです!完結までよろしくお願いします! (2020年11月27日 20時) (レス) id: 9ffe47897f (このIDを非表示/違反報告)
mmk(プロフ) - 一気に読んでしまいました!更新楽しみにしています! (2020年11月26日 10時) (レス) id: a296828649 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リトルバード | 作成日時:2020年11月12日 22時