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≪九重、お前の本能は今何を言ってる?≫
翌朝、志摩さんの言葉を思い出しながら、彼女の部屋のインターフォンを鳴らす。
「ナナさん、おはようございます。朝ごはん、どうぞ」
「…」
控えめにドアを開けた彼女は俺の言葉を聞いて、ふるふると首を横に振った。
「食欲ないですか?じゃあ後で食べてくださいね」
「…」
少し驚いたものの、彼女はサンドイッチを俺から受け取った。
「今日から私が出勤する間は4機捜の分駐所に行くことになっていますが、行きますか?」
「…」
その質問に彼女はさっきと同じように首を横に振った。昨日の今日だ。予想はしていた。
「そうですか。私は出勤しますが、何かあったらこの番号に掛けてください」
「…」
「必ず出ます。だから、その番号から連絡があったらナナさんも必ず出てくださいね」
受け取ったメモを見つめる彼女に念押しするように言った。
「それじゃあ、行ってきます」
俺がそう言うと、彼女はゆっくりとドアを閉めた。
「もしもし、九重です。申し訳ないのですが、今日もお願いできますか?」
昨日来てくれた職員に電話を掛け終え、駐車場へ向かう。
すると、
「はい、九重です」
すぐに着信があった。
「俺だ」
陣馬さんからだ。
「何か?」
「顔面配備の成果があった」
「はい?」
相変わらずの支離滅裂具合にスマホを握る手に力が入る。
でも、
「お嬢ちゃんに関する新情報だ」
それを聞いた瞬間、俺はスマホを落としそうになった。
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リトルバード(プロフ) - さえきsaekiさん» 返信遅くなりました…泣 ドラマが終わってからこちらのサイトにはログインしておらず気づくのが遅くなってしまいました。ごめんなさい。そしてすてきなコメント本当にありがとうございます!ドラマ終わってしまいましたが読んでもらえて嬉しいです!ごゆっくり〜 (2021年12月16日 23時) (レス) id: 16f707b051 (このIDを非表示/違反報告)
さえきsaeki(プロフ) - この作品残っててよかったです!しばらく404作品読んでなくて検索したりしたらずいぶん消えてしまっていて…きっと作者さんがログインされてないんですかね…でもここは残ってて何度読んでも感動できる作品がまた読めて幸せです…!ありがとうございます!! (2021年9月13日 20時) (レス) id: c60363b2be (このIDを非表示/違反報告)
リトルバード(プロフ) - mmkさん» mmkさん!初コメ嬉しいです…。書きながら「あ、これは読者様にはもしやはまっていない?」と思っていたので(笑)一人でもおもしろいと言ってくれる方がいて本当にありがたいです!完結までよろしくお願いします! (2020年11月27日 20時) (レス) id: 9ffe47897f (このIDを非表示/違反報告)
mmk(プロフ) - 一気に読んでしまいました!更新楽しみにしています! (2020年11月26日 10時) (レス) id: a296828649 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リトルバード | 作成日時:2020年11月12日 22時