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Side:九重
「お疲れ様です」
警察庁に異動になって早3か月。久々に元職場に顔を出すと、
「あー!ひさびさ九ちゃんー!」
「おう、お疲れ」
「おー!九重ー!元気してたかー?」
相変わらず賑やかな元同僚たちに迎えられた。
「はい、まぁ。ていうか、陣馬さんもう出勤していいんですか?」
「おう!この通りピンピンよー!」
「嘘つけ、医者に止められてるくせに」
元バディがこの間まで包帯が巻かれていた足を自慢げに叩くと、すかさず志摩さんがツッコんだ。
「うっせぇ!こういうのはな気合で乗り切んだよ!気合で!」
「その昭和根性論、私にはいいですけど他の後輩には押し付けないでくださいね」
「なんだとー?!」
相変わらずの持論に、はぁとため息をつきながらコーヒーを入れると、後ろからめちゃくちゃ怒鳴られた。
そのうるささに不覚にも頬を緩ませていると、
「相変わらずうるさいわね」
元隊長がやって来た。
「はっ!たいちょぉーきたぁー!」
「元、だけどね」
「おい伊吹、尻尾振るな」
嬉しそうな伊吹さんに冷静にツッコむ桔梗さんと志摩さん。
「お疲れ様です。ていうか勢揃いですね、何事ですか?」
「理由があんだよ理由が」
「…理由?」
コーヒーを入れ終え席に着くと、陣馬さんがドヤ顔しながらそう言った。
「九重くん」
「…はい」
立ったままの桔梗さんに呼ばれ、何を言われるのか内心ドキドキしながら返事をすると、
「今回はあなたの協力が不可欠なの」
桔梗さんはそう言って俺の目の前に座った。
「…え?私ですか?」
「しかも、上手く行けばあなたの改革を1つ成し遂げられるかもしれないしね」
「…改革?何なんです一体?」
話の流れが全く読めず、混乱しながら聞くと、
「あなたに、情報提供者の保護を頼みたいの」
桔梗さんはあの綺麗な微笑みを浮かべながらそう言った。
「…え?ほ、保護ですか?」
まさか自分の改革案がこんなにも早く叶うかもしれない日が来るなんて思ってもみなかった。
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リトルバード(プロフ) - さえきsaekiさん» 返信遅くなりました…泣 ドラマが終わってからこちらのサイトにはログインしておらず気づくのが遅くなってしまいました。ごめんなさい。そしてすてきなコメント本当にありがとうございます!ドラマ終わってしまいましたが読んでもらえて嬉しいです!ごゆっくり〜 (2021年12月16日 23時) (レス) id: 16f707b051 (このIDを非表示/違反報告)
さえきsaeki(プロフ) - この作品残っててよかったです!しばらく404作品読んでなくて検索したりしたらずいぶん消えてしまっていて…きっと作者さんがログインされてないんですかね…でもここは残ってて何度読んでも感動できる作品がまた読めて幸せです…!ありがとうございます!! (2021年9月13日 20時) (レス) id: c60363b2be (このIDを非表示/違反報告)
リトルバード(プロフ) - mmkさん» mmkさん!初コメ嬉しいです…。書きながら「あ、これは読者様にはもしやはまっていない?」と思っていたので(笑)一人でもおもしろいと言ってくれる方がいて本当にありがたいです!完結までよろしくお願いします! (2020年11月27日 20時) (レス) id: 9ffe47897f (このIDを非表示/違反報告)
mmk(プロフ) - 一気に読んでしまいました!更新楽しみにしています! (2020年11月26日 10時) (レス) id: a296828649 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リトルバード | 作成日時:2020年11月12日 22時