25-1.君の ページ46
<リクエスト作品>
「ああ〜これもいいかなぁ〜」
密行中、隣の助手席に座る野生バカはかれこれ30分以上はスマホを見ている。
職務中、なのにだ。
「…」
「や、でも、これもいいよなぁ〜」
「…」
「うわっ!これも絶対かわいい!」
つまり30分以上も俺はこのバカでかい独り言を聞かされ続けているわけだ。
運転しながら、である。
「おい伊吹」
「んっ?!」
「独り言が史上最大の音量なんだが」
我慢の限界である。
しかし、
「え、うそ!俺声に出てた?!」
当の本人は口に手を当て驚いた様子で体ごとこっちを向いた。
「…自覚症状なしはさすがにやばいんじゃないか」
驚きたいのはこっちなのだが。
「だってだってー!もうすぐハムちゃんのお誕生日なんだよー?!」
「…誕生日?」
「そっ!だからプレゼント選んでたの!」
「…奇遇だな」
「へ?何が?」
俺がそうつぶやくと、すかさず聞き返してきたので、
「いや、Aの誕生日ももうすぐなんだ」
正直に答えた。
「マジで?!これは一緒に選ぶしかないな」
「何でそうなる」
「相棒だから?で、何あげるか決めてんの?」
「…あ、あぁ」
「はい、嘘ー!また秒でバレる嘘をつくー」
「う、嘘じゃない!」
そう言って背もたれに仰け反る伊吹の言葉を必死に否定する俺。
「じゃあ何あげんの?言ってみてよ」
「…そ、それは…」
…くっそ、言い返せない自分に腹が立つ。
「志摩ー、そんなんじゃ愛想つかされるよー?」
「…は、はぁ?お前に言われたくない」
「で?Aちゃんは何が好きなわけ?」
「…何って…」
「なんかほら、テレビとか見ててこれ欲しいなぁとか言ってなかった?」
「…欲しいもの…」
伊吹にそう言われ思い返してみると、彼女が俺の前で何かを欲しいと言った記憶がない。
「…ないな…」
「いやいや!そんなはずないっしょ!ねぇ?」
俺の言葉を聞いて、伊吹は目の前にあったあるものに話しかける。
「…あ」
「なになになにっ!」
「…これが欲しいと言っていた」
俺は伊吹の持っているそれを指さした。
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結城(プロフ) - 伊吹さんの方からやってきましたがやっぱりため息でますー(//∇//)たまたま早起きして読んでいたのですがにやにやとため息でバッチリ目が覚めました!ありがとうございます^ ^ (2020年9月4日 5時) (レス) id: 3f7c57052f (このIDを非表示/違反報告)
MAYU(プロフ) - ありがとうございます。楽しみにしてます(*^^) (2020年8月28日 1時) (レス) id: 68cb4525c6 (このIDを非表示/違反報告)
リトルバード(プロフ) - MAYUさん» MAYUさん!初コメント&リクエストありがとうございます!今書いていますのでもう少々お待ちいただけると嬉しいです! (2020年8月27日 23時) (レス) id: fd0b490cca (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 志摩さんリクエスト。恋人夢主。志摩がお世話になってるからと紅茶のシフォンケーキを焼いて4機捜に差し入れしに行く話し。上司である桔梗にはゆたか君達と食べる用に別に用意。夢主のケーキに癒される志摩さんの話しお願いします。 (2020年8月25日 14時) (レス) id: 9070337cc8 (このIDを非表示/違反報告)
こな(プロフ) - リクエストです!ナイトプールで事件発生。404が現着。ヒロインに遭遇。水着ガン見。伊吹にぶちギレ志磨さん。伊吹に言わせたいのが、ヒロインちゃん、おっきいのね。ってな感じです。笑 (2020年8月24日 12時) (レス) id: 3a7ce308f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リトルバード | 作成日時:2020年8月5日 0時