20-2. 上手な君には ページ35
SIDE:志摩
「お邪魔しまーす」
あの日、伊吹からの衝撃発言を聞いてから初めての夜。
彼女はいつもと変わらない様子で俺の家へやって来た。
「…おう」
何も聞かなかったフリをしてみるものの、
「かずくん、今日さカレーでいいー?」
「A」
「…ん?」
「ちょっと座れ」
無理だった。
「…え?あ、うん」
「昨日、午後3時ごろ何してた」
戸惑いつつも俺の隣に座った彼女に尋ねた。
「…え、何で急に」
「いいから答えろ」
「あ、取り調べ?またやってくれるの?」
「A、俺は真剣に聞いてる。ちゃかすな」
ほわほわとした笑顔の彼女とは対照的に真剣な俺。
だけど、
「…A、ここで泣くのはなしだ。ずるい」
威圧感を感じ取ったのか涙目になる彼女。
「…じゃあ何でそんなに怒ってるの。理由言って」
「…A、俺は別に怒ってない」
「怒ってるもん」
「…伊吹が見たって言ってるんだよ」
彼女の涙にめっぽう弱い俺は仕方なく答えた。
「…何を?」
「…昨日休憩中に、お前が…」
「…私が?」
「…男といたって」
「…え?お、男?あ、もしか」
身に覚えがあるのか思い出したようなそぶりを見せる彼女に、
「違うよな?」
迫るように肩を掴んで言った。
「え?」
「俺が思っているような、そういう、そんな関係じゃないよな?」
「ち、違うよ!私はかずくんだけ!」
彼女は俺の言葉を聞くや否や立ち上がった。
「お、おい、A?」
「私がかずくんしか好きじゃないの知ってるじゃん!かずくんしかいないもん!」
「わ、分かった。分かったから落ち着け」
「…かずくんだけだもん」
嬉しくもあり、照れくさくもある言葉を堂々と叫ぶ彼女を慌てて座らせると、不服そうに唇を尖がらせた。
「じゃあ誰なんだ?その、男ってのは?」
安心できたところで、本題に入ろう。
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結城(プロフ) - 伊吹さんの方からやってきましたがやっぱりため息でますー(//∇//)たまたま早起きして読んでいたのですがにやにやとため息でバッチリ目が覚めました!ありがとうございます^ ^ (2020年9月4日 5時) (レス) id: 3f7c57052f (このIDを非表示/違反報告)
MAYU(プロフ) - ありがとうございます。楽しみにしてます(*^^) (2020年8月28日 1時) (レス) id: 68cb4525c6 (このIDを非表示/違反報告)
リトルバード(プロフ) - MAYUさん» MAYUさん!初コメント&リクエストありがとうございます!今書いていますのでもう少々お待ちいただけると嬉しいです! (2020年8月27日 23時) (レス) id: fd0b490cca (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 志摩さんリクエスト。恋人夢主。志摩がお世話になってるからと紅茶のシフォンケーキを焼いて4機捜に差し入れしに行く話し。上司である桔梗にはゆたか君達と食べる用に別に用意。夢主のケーキに癒される志摩さんの話しお願いします。 (2020年8月25日 14時) (レス) id: 9070337cc8 (このIDを非表示/違反報告)
こな(プロフ) - リクエストです!ナイトプールで事件発生。404が現着。ヒロインに遭遇。水着ガン見。伊吹にぶちギレ志磨さん。伊吹に言わせたいのが、ヒロインちゃん、おっきいのね。ってな感じです。笑 (2020年8月24日 12時) (レス) id: 3a7ce308f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リトルバード | 作成日時:2020年8月5日 0時