14-2.夜の日 ページ23
「…や、やだ、やだ」
「A、大丈夫だ」
荒くなった呼吸で視線をあちこちにやりながら、ただそう言い続けるAを落ち着かせようと腕を擦る。
「…首にっ…あの人の…手がっ…やだっ」
「A、A落ち着け。大丈夫だから」
だけど彼女は落ち着くどころかどんどんパニックに陥っていく。なるべく優しい声で宥めるも、意味はなさそうだった。
だけど、
「…き、気持ち悪いっ…き、汚い…っ」
彼女の口から出た言葉を聞いた瞬間、優しくなんてできなくなった。
「Aっ!」
その震える肩を掴み、強制的にこちらに向き合わせた。
「…っ…ふっ…」
「汚い?誰が?お前が?ありえない」
「…でもっ…」
「汚くなんかない。汚いのはあいつだ。犯人だ」
涙でぐちゃぐちゃになった顔を両手で包み込み、その目をまっすぐ見つめる。
「…か、ずくんっ…」
「いいか?お前は何も悪いことしてない。だから泣く必要も、怖がる必要もない」
「…かずくんっ…かずくんっ」
「…大丈夫。俺はここにいる。ずっといるから」
名前を呼びながら、すがるように抱き着いてくる彼女を強く抱きしめる。
「…こ、わい…こわいよぉ…」
「大丈夫。あいつは俺が、俺たちが捕まえた。だからもう、ここにはいない」
「…うんっ…いないっ…」
「そう、いないよ」
怖がる彼女を安心させたくて、震える背中を擦り、その髪に唇を寄せながら俺はそう言った。
「…ごめんな」
あれから疲れたのか、すぐに眠りについた彼女の寝顔を見ながら一人つぶやく。
この仕事をやっていると、あの時こうしていればなんて思うことは多々あって、だけどそれでも前に進まなくちゃいけない。
だけど、
「…お前は別なんだよ」
彼女を守ろうと改めて誓ったそんな夜の日。
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結城(プロフ) - 伊吹さんの方からやってきましたがやっぱりため息でますー(//∇//)たまたま早起きして読んでいたのですがにやにやとため息でバッチリ目が覚めました!ありがとうございます^ ^ (2020年9月4日 5時) (レス) id: 3f7c57052f (このIDを非表示/違反報告)
MAYU(プロフ) - ありがとうございます。楽しみにしてます(*^^) (2020年8月28日 1時) (レス) id: 68cb4525c6 (このIDを非表示/違反報告)
リトルバード(プロフ) - MAYUさん» MAYUさん!初コメント&リクエストありがとうございます!今書いていますのでもう少々お待ちいただけると嬉しいです! (2020年8月27日 23時) (レス) id: fd0b490cca (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 志摩さんリクエスト。恋人夢主。志摩がお世話になってるからと紅茶のシフォンケーキを焼いて4機捜に差し入れしに行く話し。上司である桔梗にはゆたか君達と食べる用に別に用意。夢主のケーキに癒される志摩さんの話しお願いします。 (2020年8月25日 14時) (レス) id: 9070337cc8 (このIDを非表示/違反報告)
こな(プロフ) - リクエストです!ナイトプールで事件発生。404が現着。ヒロインに遭遇。水着ガン見。伊吹にぶちギレ志磨さん。伊吹に言わせたいのが、ヒロインちゃん、おっきいのね。ってな感じです。笑 (2020年8月24日 12時) (レス) id: 3a7ce308f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リトルバード | 作成日時:2020年8月5日 0時