10.君のせい ページ14
「え、え。どっちが犯人かな。メガネかな、天パかな」
隣に座る彼女は刑事ドラマを見ながら一人推理中。ちなみにその事件の舞台は病院。
「ねね、かずくんは?どっちだと思う?」
「いいのか?言って」
「え、そんな自信あるの?」
「いやこの流れだと一択だろ」
「えー!うそ!やっぱ現役刑事は違うなぁ」
…それは関係ないと思うぞ、という言葉はビールと一緒に飲み込んだ。
すると
「あ!伊吹さんだ!」
彼女が嬉しそうに指した画面には天パの俳優が映っていた。ちなみに俺はこいつが犯人ではないのかと踏んでいる。
「は?伊吹?これの?どこが?」
「えー、目が切れ長なとことか、背が高いとことか、笑ったとこ?」
「…そうか?」
「うん、伊吹さんそっくりだよ。ほら、伊吹さん!」
「…」
この短時間で彼女の口から3回もあいつの名前が出たことに若干の苛立ちを覚えた。あと1回でも出たらキレそうだ。
しかし、
「あ、やっぱ、伊吹さんが犯人かなー」
早速出た。
「A」
「ん?」
ビールを一口飲んで名前を呼ぶと、彼女がこっちを見る。
「犯人そいつだ」
俺はそのままつまみに手を伸ばした。
「え、え?!何で言うの?!」
「…お前が悪いんだろ」
「え、え、何で!うわ!しかも当たってる!」
「はい、もう終わり」
「かずくん!どしたの!なんで!」
テレビの電源を切り、グラスと皿を持って台所へ行く俺と、その後ろをプチパニック状態でついてくる彼女。
「別に知らなくていい」
「え、何でちょっと怒ってんの?」
「別に」
「怒ってるじゃんか」
子供みたいに口をとんがらせて不満を全面に押し出してくる彼女。
「怒って…た。怒ってたが、焦ってる姿見たら安心した」
「はー?変なのー」
「変で結構。ほら、もう寝るぞ」
そんな彼女の頭に手をポンと置き、寝室へと歩き出す。
明日、伊吹と普通に話せる自信は正直、ない。
1107人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結城(プロフ) - 伊吹さんの方からやってきましたがやっぱりため息でますー(//∇//)たまたま早起きして読んでいたのですがにやにやとため息でバッチリ目が覚めました!ありがとうございます^ ^ (2020年9月4日 5時) (レス) id: 3f7c57052f (このIDを非表示/違反報告)
MAYU(プロフ) - ありがとうございます。楽しみにしてます(*^^) (2020年8月28日 1時) (レス) id: 68cb4525c6 (このIDを非表示/違反報告)
リトルバード(プロフ) - MAYUさん» MAYUさん!初コメント&リクエストありがとうございます!今書いていますのでもう少々お待ちいただけると嬉しいです! (2020年8月27日 23時) (レス) id: fd0b490cca (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 志摩さんリクエスト。恋人夢主。志摩がお世話になってるからと紅茶のシフォンケーキを焼いて4機捜に差し入れしに行く話し。上司である桔梗にはゆたか君達と食べる用に別に用意。夢主のケーキに癒される志摩さんの話しお願いします。 (2020年8月25日 14時) (レス) id: 9070337cc8 (このIDを非表示/違反報告)
こな(プロフ) - リクエストです!ナイトプールで事件発生。404が現着。ヒロインに遭遇。水着ガン見。伊吹にぶちギレ志磨さん。伊吹に言わせたいのが、ヒロインちゃん、おっきいのね。ってな感じです。笑 (2020年8月24日 12時) (レス) id: 3a7ce308f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リトルバード | 作成日時:2020年8月5日 0時